【義王聯合ニュース】韓国の大統領警護処は15日、独立捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」が内乱容疑で拘束した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が京畿道の政府果川庁舎にある公捜処に移送されてからソウル拘置所(同道義王市)に護送されるまで、現職大統領に対する前例のない警護に乗り出した。
警護処は、同日午前10時33分にソウルの大統領公邸で尹大統領が拘束されてから公捜処の取り調べが終了するまで約11時間にわたり警護した後、拘置所での警護に着手した。
尹大統領が拘置所に護送される約30分前、警護処の関係者3人が拘置所を出て車に乗り、駐車場を出た。尹大統領が収容される前に危険要素をあらかじめ確認していたとみられる。公捜処への移送前に同処を訪れていた警護処の関係者も拘置所に移動し、正門の周辺を撮影して中に入った。尹大統領が乗った車が拘置所に到着する約20分前には警護処の関係者4人が現場入りし、周辺の地形や警察の配置規模などを確認した。
関係者の1人は現場を指揮する警察官に対し、「記者らが道路に近付きすぎて危険だ。道路の外に移動させてほしい」と要求。報道陣に対しても秩序を守るよう呼びかけた。
関係者らは午後9時50分ごろに尹大統領が乗った車が拘置所に到着すると、今後も同じ形で警護を続けることを確認した後、拘置所に入った。
現職の大統領が拘束された場合の警護規定は設けられておらず、警護処はソウル拘置所側と具体的な警護方法やレベルをめぐって協議を続ける予定だ。拘置所内での警護方法など、詳細は機密事項にあたるとして明らかにされなかった。
拘束から一夜明けた16日、公捜処は尹大統領に対する取り調べを再び行う予定だ。拘束令状の執行から48時間以内に逮捕状を請求しなければならないため、17日午前10時33分までに逮捕状を請求するかどうか決めることになる。