尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領側は14日、憲法裁判所に提出した答弁書で、いわゆる「不正選挙」を主張し、昨年12月3日の非常戒厳宣布が正当だと主張した、と伝えられた。非常戒厳宣布は国憲を乱すことを目的とした内乱ではなく、国会の弾劾訴追は違法だということだ。
本紙の取材を総合すると、尹大統領の法律代理人団は同日、弾劾審判の初弁論が開かれる前、憲法裁判所に約60ページ分と約10ページ分の答弁書計2件を提出したことが分かった。尹大統領側は約60ページ分の答弁書で、非常戒厳の背景として中央選挙管理委員会の不正選挙疑惑、共に民主党の立法暴走と弾劾による国政マヒ、予算削減などを挙げ、非常戒厳宣布は正当だと主張したということだ。
尹大統領側は「このような状況は『戦時・事変またはこれに準ずる国家非常事態』に該当し、戒厳宣布の適法要件を満たしている。国憲を乱すことを目的としたものではないため、内乱罪も成立しない」と主張したとのことだ。また、「野党が主導する国会での弾劾訴追も違法だ」という主張も書かれているという。尹大統領側は「不正選挙や共に民主党の横暴が明らかになる証拠がある程度、確保されている」と述べた。
これは、尹大統領が先月12日の国民向け談話で述べた非常戒厳宣布の目的などとも一致する内容だ。尹大統領はこの談話で、「野党の立法・予算の暴走を防ぐために戒厳というカードを切った」として、正当な統治行為だと主張した。その上で、「中央選管のシステムが不十分なので、軍にコンピューターの点検を指示した」とも言った。
尹大統領側が同日、合わせて提出した約10ページ分の答弁書には、「国会の弾劾訴追は適法でないため、却下してほしい」という要求があるという。
憲法裁判所は同日、弾劾審判の弁論を初めて開き、尹大統領側が提起した「政界から選ばれる憲法裁判官に対する忌避申し立て」を棄却した。尹大統領側の弁論開始・一括期日指定関連の異議申し立ても受け入れなかった。同日の弁論に尹大統領は出席せず、約4分間で終わった。
パン・グクリョル記者、パク・ヘヨン記者