【TV朝鮮】(アンカー)
チェジュ(済州)航空機事故の被害を大きくしたと指摘されている原因の一つに、短い滑走路が挙げられています。ところが、務安国際空港建設時、地元の商工業関係者の集まりである木浦商工会議所が滑走路の延長を建議していたことが確認されました。それに対し、韓国国土交通部(省に相当)は当時、既存の滑走路でも大型機の離着陸が可能だとして、滑走路延長を断っていたことも明らかになりました。ソン・ビョンチョル記者の独自取材です。
【写真】「これまで見たことがない」「犯罪に近い」 滑走路先にコンクリートの壁
(記者リポート)
務安空港の滑走路の長さは現在、2800メートルです。
仁川空港(3750-4000メートル)や金浦空港(3200-3600メートル)よりは短く、清州空港(2744メートル)や襄陽空港(2500メートル)よりは長いという状況です。
ところが、務安空港の建設中だった2003年、地元商工業関係者の意見を代弁する木浦商工会議所が滑走路の長さを3200メートルまで延長してほしいという内容の公文書を国土交通部に送付していたことが確認されました。
(木浦商工会議所の関係者)
「建設当時、2800メートルになっていたので、『いくら何でも国際空港としての役割を果たすには、滑走路の長さが少なくても3200メートルはなければならないのでは』と…」
しかし、国土交通部は当時、「B747クラスの大型航空機の離着陸は可能で、仁川空港以外には国際線の需要が多くないため、延長は難しい」として、これを拒否しました。
しかも今回の事故時、事故機が着陸した方向の滑走路が工事により、もともとの長さよりも運用区間が300メートル短かったことについても、国土交通部は「滑走路の長さと事故は関係ない」と言いました。
(朱鐘浣〈チュ・ジョンワン〉国土交通部航空政策室長〈先月29日〉)
「複数の航空機が運航を続けてきた空港です。滑走路の長さのためにあのような事故が発生したとみるのは難しいと思います」
ですが、木浦商工会議所の建議を受け入れていたら制動距離をさらに確保できただろう、という指摘が出ています。
(コン・ハソン又石大学消防防災学科教授)
「非常事態で胴体着陸する場合は、滑走路、着陸のための距離がかなり長くなります」
務安空港では現在、遅まきながら滑走路を3160メートルまで伸ばす工事を進めています。TV朝鮮、ソン・ビョンチョルがお伝えしました。
(2025年1月12日放送 TV朝鮮『ニュース7』より)