「恐怖心を消し去れ」 火の付いた棒を社員に食べさせるパワハラで物議 中国ネット民の反応

 中国のある教育関連企業が、組織力を高めるためのイベントで火の付いた棒を口に入れるよう社員たちに強要していたことが分かり、物議を醸している。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が9日(現地時間)、報じた。それによると、中国・遼寧省の教育関連企業に勤めるネットユーザーが最近、SNS(交流サイト)で、会社のイベントでこのようなアクティビティを強要されたことを暴露した。火の付いた棒を口に入れて火を消すというもので、主にサーカスや大道芸などで披露されるものだ。

【写真】「良い子はマネしないでね」「特別な訓練を受けています」 火を食べる様子

 問題の企業に約1年間勤めているというロンロンさんは「イベントで、火を口に入れるというアクティビティには参加したくなかったが、仕事を失うのではないかと思い、怖かった」として「このイベントは2日間にわたり、計60人の社員が参加した」と説明した。イベント中はスマートフォンを取り上げられ、この様子を撮影することはできなかったという。

 企業側は、この活動を通じて社員たちが恐怖心を克服し、自信を育てることができるとしてイベントを実施したという。ロンロンさんは「この危険千万なイベントの目的は、経営陣に対して社員たちの決意を示すことだ。社員各個人がライバル会社に勝ちたいという気持ち、お金を稼ぎたいという気持ちを示さなければならなかった」「私はこのような行為を強要されてとても怖かったし屈辱的だと感じた」と明かした。

 ロンロンさんは、企業が社員の権利を侵害したとして、労働法違反で訴訟を起こす予定だという。企業側は今回の騒動に対し、公式の立場を明らかにしていない。

 この教育企業のケースのように、一部の中国企業は「自信を高め、潜在力を引き上げるのに役立つ」との理由で、このような社内イベントで「ファイヤーイーティング」を強要しているSCMPは報じた。現地SNSには、制服姿の人や社員証を首から下げた人が火の付いた棒を口に入れる写真や動画が投稿されている。

 この投稿を見たあるネットユーザーは「火を口に入れるショーは、呼吸をコントロールし、口の中の水分をキープすると同時に極めて正確なタイミングで口を閉じて酸素を遮断しなければできない。専門的に訓練した人だけが安全にこなすことができる」と指摘した。他にも「労働者保護への道のりはまだまだ長い」「忠誠度テストに見せかけた実験」「前に勤めていた会社で、社員同士の団結力を確かめるという理由で目を閉じて後ろに倒れるという行為を強要された。何人かの社員は泣いていた」などの反応が見られた。

 中国で一部企業によるあきれた慣行が物議を醸すのは今回が初めてではない。中国南西部のある会社は、ゲームで負けた社員を深夜まで通りでほふく前進させた。また、2016年には中国東部の会社が、社員の度胸を育てるとしてごみ箱に口づけをさせたり、公共の場所で見知らぬ人に抱きつかせたりしていたことが分かり、批判を浴びた。

チェ・ヘスン記者

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