研修医の職場復帰誘導 医学部定員増は「ゼロベースで検討」=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は10日、医師不足などの対策として打ち出した大学医学部の定員増員方針に医療界が強く反発している問題で、職場を離れた研修医が元の職場に復帰し、研修を続けられるよう措置を取ると発表した。近く確定する2026学年度の医学部定員はゼロベースで検討するとの方針を示し、職場を離れた研修医らに「残念で、申し訳ない気持ち」と謝罪した。

 

 李周浩(イ・ジュホ)社会副首相兼教育部長官が曺圭鴻(チョ・ギュホン)保健福祉部長官と共に記者会見を開き、こうした方針を発表した。

 李氏は「昨年2月の定員増員方針の発表以降、研修医の職場離脱が長期化し、国民の皆さんに心配と不便をかけ申し訳ないと思う」と謝罪。また、昨年12月の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の「非常戒厳」宣言に際して発表された布告令に「ストライキ中または医療現場を離脱したすべての医療従事者は48時間以内に本業に復帰して忠実に勤務し、違反時は戒厳法によって処断する」との内容が盛り込まれたことに触れ、「政府の方針とは異なる。傷ついた医療関係者の方々に対し遺憾の言葉を申し上げる」と述べた。

 研修医が職場復帰する場合は支障なく研修を続けられるよう措置を取るとし、現在、離職後1年間は復帰が制限されているが、元の病院に復帰する場合にはこの規制を適用しないと約束した。

 離職後に兵役対象者となったが職場復帰を選んだ場合は、研修を終えた後に医務将校などとして入営できるよう最大限の措置を取るとした。

 また、26学年度の定員については「ゼロベースで柔軟に」検討すると繰り返し強調。26学年度の定員確定は「今年2月までに」と表明した。「特定の数字を念頭に置いて協議する計画はない」とし、教育環境や各大学の事情を十分に考慮して協議する方針を強調した。

 尹大統領の権限を代行する崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政部長官もこの日、医学部定員問題に初めて言及し、離職した研修医に対し「残念で、申し訳ない気持ち」と謝罪。「医療界が対話に参加して議論を進めれば、26学年度の医学部の定員拡大規模もゼロベースで柔軟に協議できるだろう」との立場を示した。

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