韓国法務部(省に相当)の朴性載(パク・ソンジェ)長官は24日「(尹錫悦〈ユン・ソンニョル〉大統領による)12月3日の非常戒厳令宣布計画は事前に知らされておらず、関連する法律や布告令も検討していなかった」と主張した。
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朴性載長官の代理人は同日、憲法裁判所に前日提出した10ページの弾劾審判答弁書を用い「朴性載長官は今月3日の非常戒厳令宣布前にソウル竜山の韓国大統領府に到着した際、非常戒厳令に関する内容を(初めて)知らされた」とした上で上記のように説明した。
朴性載長官は「尹大統領から非常戒厳令を宣布すると聞かされ非常に驚いてしまったが、非常戒厳令について数々の問題点を指摘し、思いとどまらせようとした。また韓悳洙(ハン・ドクス)首相をはじめとするその後に到着した国務委員らも非常戒厳令宣布をやめさせようとした」と明らかにした。
朴性載長官はさらに「非常戒厳令を阻止できなかったことが内乱罪の共謀・同調とする請求人(国会)の主張は単なる詭弁(きべん)だ」とも主張した。
非常戒厳令が解除された今月4日夕刻に行われた大統領安家(安全家屋)での会議についても「非常戒厳令後の対応に関する協議そのものがなく、(あったとしても)それが2次戒厳令についての協議とする請求人の論理そのものも非常に奇怪だ」と批判した。
今月7日に国会で金建希(キム・ゴンヒ)夫人特別検事法の採決が改めて行われた際、朴性載長官は結果が出る前に本会議場から退場したため、野党から「国会を無視した」との批判も受けている。これについても朴性載長官は「再議要求の理由説明を終えた政府関係者については、採決が終わるまで(国会)本会議場に残らねばならないという規定はない」と反論した。
さらに「(当時)野党代表を見つめたことが憲法や法律に違反し、これを弾劾理由とする請求人の主張には失笑を禁じ得ない」とも指摘した。
韓国野党・共に民主党など野党各党は今月10日、同党の金容民(キム・ヨンミン)議員ら170人が共同で提出した朴性載長官の弾劾訴追案(弾劾案)を12日の本会議で可決した。内乱加担疑惑、2次戒厳令を協議した疑惑、国会と国民を無視する態度などが朴性載長官の弾劾理由とされている。
ユ・ヒゴン記者