【ソウル聯合ニュース】2024年の訪韓外国人客数2000万人達成という目標を掲げ政府と旅行業界が総力を挙げたものの、世界経済の停滞や尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が一時「非常戒厳」を宣言したことに端を発する一連の混乱などの影響で、達成できない見通しであることが19日までに分かった。
旅行業界は新規予約の減少傾向が来春まで続くことを懸念している。文化体育観光部などは影響を最小限に抑えるため年末年始にマーケティングを集中的に行う方針だ。
業界関係者によると、非常戒厳以降の以後、インバウンド(訪韓客)の旅行やホテルのキャンセル率はそれほど高くないものの、新規予約に鈍化がみられるという。
韓国ホテル業協会の関係者は「実態調査をした結果、キャンセルの問い合わせは多かったが、キャンセル率はそれほど高くはなかった」と伝えた。その上で「問題は昨年と比較して新規予約が大幅に減ったこと」とし「1~3月期はオフシーズンだが、通常よりさらに厳しくなるかもしれない」と予想した。
文化体育観光部の金定勲(キム・ジョンフン)観光政策局長も前日の記者会見で「12月初旬の外国人客の観光需要が前年同期に比べ2~3%減ったという分析もあるが、非常戒厳前と比較してむしろ増えた日もある」とし、「来年1~3月期に外国人観光客が安全に韓国を訪問するための方策を検討中」と明らかにした。
戒厳以後、日本の学校が修学旅行での韓国訪問を取り消したほか、旅行会社を通じて韓国を訪問する予定だったサウジアラビアの王子一行が旅行を取り消す事例があった。
業界関係者は、繁忙期である年末は直前にキャンセルすると高額のキャンセル料が発生するためそれほどキャンセル率が高くなかったのではないかとみている。
ただ来年1~3月期については、日程にまだ余裕があるため、訪韓を延期したり、行き先を変えたりすることもできる。
来年1~3月期の訪韓中国人客が83万人で前年同期比19%減少するとする海外機関の分析もある。
訪韓外国人客数は文化体育観光部が目標として掲げた2000万人を達成するほどではないものの、これまで順調に増えていた。
今年1~10月の累計では1374万人で前年同期比54.7%増え、過去最高だった2019年の同じ期間と比べ94%まで回復した。
旅行業界の関係者は過去最高の2019年が1750万人で、新型コロナウイルス感染拡大の余波が残っている中での2000万人達成は、もともと難しかったと指摘した。
また今年9月の訪韓客数がコロナ禍以降、初めて19年の同じ月を上回るなど回復傾向を見せていたが、国内政治の混乱がこの流れに悪影響を及ぼす可能性があると懸念を示した。
文化体育観光部は連日「韓国に旅行に来ても安全だ」というメッセージを出している。5日には観光業界に対し、韓国の観光地が通常通り運営されていることを各国に伝えるよう要請した。
柳仁村(ユ・インチョン)長官、張美蘭(チャン・ミラン)第2次官もそれぞれ対策会議を開いて業界関係者から意見を聴取した。
26日には「国家観光戦略会議」を開き、観光市場の安定化対策を議論する計画だ。
同部関係者は「現在の(戒厳を巡る混乱などが)観光に及ぼす影響は一時的な衝撃だと見ている。影響を最小化するために年末年始にマーケティングなどをさらに攻勢的に推進することにした」と話した。
また海外メディアとのインタビュー、韓日観光ビジネスフォーラム出席などを通じて長官、次官が韓国が安全であるというメッセージを出し続けていると説明した。