年末年始を控えて中国でさまざまな公演が開催される中、K-POPコンサートも人気を集めている。ただし、韓国のアーティストが出演して歌うのではなく、中国のアーティストたちが韓国の歌を無断で利用する形の公演だ。「限韓令(韓流禁止令)」の影響で韓国のアーティストによる中国本土での公演が禁止されているため、K-POPの著作権が十分に保護されていないだけでなく、これに伴う収益も中国が懐に入れている状況だ。ただし、限韓令が解除された後に中国市場に進出するためにはK-POPの人気が続いている必要があるため、違法だからといって根絶するのが正解とは言えないとの意見も聞かれる。
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中国最大の公演チケット販売サイト「大麦」によると、来年1月8日には北京市朝陽区の朝陽劇場で「K-POPライブ巡回コンサート」が開催される。今月初めに天津でスタートし、山西省西安を経て北京でファイナルを迎える公演だ。韓国の有名アイドルNewJeans(ニュージーンズ)、aespa(エスパ)、BLACKPINK(ブラックピンク)、EXO(エクソ)などの曲に合わせて一緒に踊りながら歌うという公演だが、韓国アイドルのかわりに中国人のグループが歌と演奏を担当する。チケットは42-580元(約890-12200円)で販売されている。
K-POPをテーマにした公演は中国本土で頻繁に開催されている。今月だけで北京はもちろん山東省済南、山西省太原、天津などでK-POPの公演が予定されている。やはり中国人アーティストが歌うか、曲だけ流す形だ。これらの公演は観客が曲の振り付けを熟知しているため、公演中に一緒に踊れるようあらかじめセットリスト(曲順一覧)を提供している。観客も多数入っており、人気の高さがうかがえる。今月8日に天津で開催されたK-POPコンサートに行ってきたというある中国人は「微博(ウェイボー、中国版X〈ツイッター〉)に「ボーカルは歌が上手だったしダンスもうまくて独自のスタイルを見せてくれた。全員で一緒に踊ったのですごく盛り上がったし、自然と歓声が出た」と書き込んだ。
このように、中国では盛んにK-POP公演が開催されているが、実際にその曲を歌った韓国のアーティストたちはステージに立つことができない。中国は2016年、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に対する不満の表明として、17年に「限韓令」を出した。これにより、韓国のアーティストによる中国国内での公演や映画、ドラマなど韓国コンテンツの中国国内での流通が全て禁止された。本土ではなく香港やマカオ、台湾などでは可能だが、これも限韓令の影響で大幅に減少している状態だ。中国の公演企画会社が主催するK-POPコンサートは、中国の文化当局がK-POP消費を完全に取り締まることが難しい上に、公演に出演するのが韓国人ではないため可能となっているとみられる。