「よほどのことでなければ私はこんな決定を下さないだろう」 戒厳宣布直前当時の尹大統領発言を趙兌烈外相が証言

 韓国外交部(省に相当)の趙兌烈(チョ・テヨル)長官が「(今月3日の夜)非常戒厳宣布の直前、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が『よほどのことでなければ、私はこんな決定を下さないだろう』と語った」と証言した。

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 趙長官は16日、韓国国会外交統一委員会に出席し、尹大統領が非常戒厳を宣布した背景に関して、保守系与党「国民の力」の尹相炫(ユン・サンヒョン)議員の質問に対してこのように答弁した。趙長官は、今月3日の夜の非常戒厳宣布直前にソウル市竜山の大統領府庁舎で招集された国務会議(閣議に相当)の状況に関して「大統領は(非常戒厳宣布の内容を)事前に知らせなかった」「ぎりぎりになって、おそらく国務委員(閣僚)の意見を聞かなければならないという判断が付いて(国務会議を)招集したのだと思う」と語った。尹議員は「趙長官が反対したのに、なぜ(大統領の戒厳宣布を)防げなかったのか」と質問し、これに趙長官は「私が一人反対して防げる状況ではなかった」と答弁した。

 趙長官は、3日の夜の国務会議当時、戒厳宣布談話のためにブリーフィングルームに向かう尹大統領を追いかけていって引き留めたことが分かった。先に趙長官は、国会で「外交的な波紋だけでなく、韓国が過去およそ70年積み上げてきたあらゆる成果を一挙に崩しかねないほど深刻な問題なので、再考してもらいたいと、国務委員の同僚たちが集まっている場で何度も懇切に申し上げて要請した」と証言したことがある。この要請に対し、尹大統領は「もはや待ったなしだ」と言って戒厳宣布を強行した-と趙長官は伝えた。

 趙長官は「国務委員が時々刻々(国務会議場に)到着するので、討論をする環境ではなかった」とし「間近になってから来た数人の長官は意見を開陳する機会もなく、状況がどうなっているのかも把握できなかっただろう」と当時の状況を伝えた。当時の国務会議に呼び出された国務委員は、韓悳洙(ハン・ドクス)首相=現・大統領権限代行=、崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政相、趙兌烈外相、金暎浩(キム・ヨンホ)統一相、朴性載(パク・ソンジェ)法相、金竜顕(キム・ヨンヒョン)国防相=当時=、李祥敏(イ・サンミン)行政安全相=当時=、宋美玲(ソン・ミリョン)農林畜産食品相、曺圭鴻(チョ・ギュホン)保健福祉相、オ・ヨンジュ中小ベンチャー企業相などだったことが分かった。出席者は、国務会議を開くのに必要な最少定足数の11人だったことが伝えられた。

キム・ヒョンウォン記者

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