尹大統領弾劾案可決報道に安哲秀議員の写真、ドイツ紙がまさかの誤報

　【NEWSIS】国会で弾劾訴追案が可決し尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の職務が停止した中、ドイツのある新聞が関連するニュースを報じる際に与党・国民の力の安哲秀（アン・チョルス）議員の写真を掲載し尹大統領と紹介した。

【Photo】「尹錫悦大統領」顔写真　弾劾訴追案に賛成票を投じた与党・安哲秀議員が…

　今月13日にX（旧ツイッター）にドイツ・ミュンヘンの地域新聞「ミュンヘン・マーキュリー」の記事が紹介された。この記事は尹大統領が出国禁止となったニュースを伝えるものだった。

　これに先立ち高位公職者犯罪捜査処（公捜処）は今月9日に内乱容疑について捜査するため尹大統領の出国禁止を申請し、韓国法務部（省に相当）は直ちにこれを承認した。

　同日午後に法務部出入国外国人政策本部の裵祥業（ぺ・サンオプ）本部長は国会法制司法委員会全体会議でこの問題に関する質問を受けた際、尹大統領を出国禁止としたことを明らかにした。現職大統領に対する出国禁止は憲政史上初めてだという。

　ところが記事に掲載された写真は尹大統領ではなく安哲秀議員だった。その写真の下には「尹錫悦・大韓民国大統領」との説明が付されていた。

　安哲秀議員は尹大統領弾劾訴追案の1回目と2回目の採決にいずれも投票した国民の力所属議員3人のうちの1人だ。

　この記事に対してネットでは「写真をちゃんと使え」「気分が悪い」「安哲秀がなぜあそこに」「安哲秀になぜこんなことが」「ドイツのユーモアか？」などのコメントが相次いだ。

　一方で尹大統領に対する弾劾訴追案は今月14日午後の国会本会議で在職議員全員が投票し、賛成204票、反対85票、棄権3票、無効8票で可決した。

　弾劾訴追議決書は同日午後7時24分に韓国大統領府に送付され、尹大統領の職務は停止となり、韓悳洙（ハン・ドクス）首相が大統領の職務を代行することになった。

　現職大統領の弾劾訴追案が可決し職務が停止するのは故・盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領（2004年）と朴槿恵（パク・クンヘ）大統領（16年）に続き今回が3回目だ。憲政史で大統領の権限が停止あるいは事故が発生したのは他に4・19革命、5・16軍事クーデター、10・26事態で、今回は6回目となる。

　憲法裁判所で弾劾審判の決定が出るまで尹大統領は呼称や警護など大統領の身分は維持されるが、国家元首や行政府首班としての権限は行使できない。尹大統領は憲法裁判所の審判が下されるまで官邸にとどまると予想されている。

ファン・ソジョン記者