尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が今月3日に宣布した「12・3非常戒厳」問題を捜査している検察特別捜査本部(本部長:朴世鉉〈パク・セヒョン〉ソウル高等検察庁検事長)では、最大野党・共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)議員が公開した「参考報告・戒厳司令部-合同捜査本部運営参考資料」という題名の文書について「12・3非常戒厳宣布とは関係ない」と判断したことが15日に分かった。秋美愛議員は8日、国会で開いた記者会見で同文書を公開し「尹大統領の非常戒厳宣布は事前に綿密に謀議されたものだった」と主張していた。
【写真】「参考報告・戒厳司令部-合同捜査本部運営参考資料」題する文書を公開した共に民主党の秋美愛議員
本紙の取材を総合すると、検察特捜部はこのほど、韓国軍防諜(ぼうちょう)司令部の関係者を多数調査し、秋美愛議員が公開した文書が作成された時期と経緯を尋ねた。これに対し、防諜司令部の関係者たちは「該当の文書は前任の司令官時代だった昨年7月に作成されたものだ」「韓米合同訓練の乙支フリーダムシールド(UFS)準備のために作られたものだ」と述べたとのことだ。チョン・ソンウ防諜司令部第1処長も10日、国会国防委員会に出席して同様の証言をしている。
秋美愛議員は8日、8ページにわたる同文書を公開し「この文書は呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官=当時=の指示により防諜司令部秘書室で作成され、今年11月ごろ防諜司令官に報告されて決まった資料だ」と主張した。同議員は「戒厳宣布に関する法的手続き、戒厳司令部の構成と役割、合同捜査本部設置と機能など、具体的な計画が詳細に記述されている」「特に、国会の戒厳解除要求に対する対応策、戒厳司令官の任命手続き、治安維持と情報統制計画などが含まれており、戒厳という状況を想定して体系的に準備していたことが分かる」と言った。
検察特捜部は、この文書の作成時期とは別に、呂寅兄前防諜司令官らが事前に戒厳宣布を謀議したかどうかについて引き続き捜査しているという。検察特捜部は、呂寅兄前防諜司令官の逮捕状に「尹大統領、金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防長官らと共謀して国会、国会議員、選挙管理委員会の権能行使を不可能にし、国憲を乱すことを目的に暴動を起こした」と明記したという。呂寅兄前防諜司令官は14日に逮捕された。
イ・ミンジュン記者