【ソウル聯合ニュース】韓国の与党「国民の力」の執行部が11日、一時「非常戒厳」を宣言した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の退陣について、「2月退陣・4月大統領選」、または「3月退陣・5月大統領選」との案を大統領室に示し説得に乗り出したものの大統領室側が否定的な立場を示し、議論が難航しているもようだ。
国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表に近い金鍾赫(キム・ジョンヒョク)最高委員は記者団に対し、「大統領室では(尹大統領の)下野は考えていないようだ」として、「全体的な雰囲気は『秩序ある退陣』は受け入れられないという立場」と述べた。そのうえで、「憲法裁判所の(弾劾)審判を受けるという立場」と明らかにした。
国民の力の申志鎬(シン・ジホ)戦略企画副総長もユーチューブ番組で、「(大統領室が)下野よりは弾劾が良いという立場を明確にしているため、これ以上党内で(代案を)議論する余地はないと思う」との認識を示した。
一方、党内では14日と予想される尹大統領に対する2度目の弾劾訴追案の採決について、「参加すべきだ」との意見が広がり、造反票が出る可能性が高まっている。現在までに採決に参加する意向を表明した議員は10人だ。このうち、5人は弾劾案に賛成する意思を明らかにした。
国会は7日の本会議で尹大統領の弾劾案を採決したが、国民の力の議員のほとんどが採決前に退席し、投票数が規定数に達しなかったため成立せず、廃案となった。野党・無所属議員192人に加え、国民の力の議員8人以上が採決に参加すれば採決が成立し、国民の力から8人以上の賛成票が出れば弾劾案は可決される。