【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領による「非常戒厳」宣言について捜査する警察庁国家捜査本部の特別捜査団は11日、ソウル・竜山の大統領室の家宅捜索に入った。
令状に記載された被疑者は尹大統領、捜索対象は大統領執務室、閣議室、警護処などとなっている。
捜査官らはこの日午前11時45分ごろに大統領室庁舎に到着し、警護処と家宅捜索の方法などについて話し合った。警護処は家宅捜索が行われることは事前に伝えられていなかったという。
現在、尹大統領が大統領室庁舎内にいるかどうかは確認されていない。
尹大統領の容疑は内乱、軍刑法上の反乱などで、大統領を対象に強制捜査が行われるのは今回が初めて。警察はこれまでの押収物や関係者の供述などから、今回の内乱の首謀者は尹大統領だと判断している。
戒厳軍首脳部の発言によって尹大統領が非常戒厳の全過程を指揮したことが明らかになり、警察が今回の家宅捜索に続いて尹大統領の身柄の拘束に乗り出す可能性もある。刑法上の内乱罪は最高で死刑もある重罪であることから、尹大統領の緊急逮捕に踏み切ることも考えられる。
警察はまた、警察庁、ソウル地方警察庁、国会警備隊にも捜査官を派遣し、戒厳宣言後に警察が国会への出入りを阻止した過程に関する資料の押収に乗り出した。
11日未明には警察トップの警察庁長とソウル警察庁長が緊急逮捕されており、強制捜査によって証拠の確保を図るとみられる。
警察は特別捜査団に約150人の捜査官を投入した。ソウル警察庁捜査部長をはじめ、国家捜査本部重大犯罪捜査課やソウル警察庁広域捜査団の捜査官も投入され、戒厳布告令に関する法律検討チームも設けられた。