内乱容疑で金竜顕・前国防相を逮捕…検察の次なるターゲットは尹大統領

裁判所「証拠隠滅の恐れあり」

 非常戒厳事態の中心人物である金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相が10日の夜、身柄を拘束された。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に非常戒厳宣布を建議し、韓国軍兵力の国会投入などを指示した疑い(内乱重要任務従事・職権乱用)による拘束だ。

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 金・前国防相の身柄を確保した検察の特別捜査本部は、「内乱首謀者」の容疑が持たれている尹錫悦大統領に対する捜査を本格化させる見込みだ。

 ソウル中央地裁の南天奎(ナム・チョンギュ)令状専担部長判事は同日の夜、金・前国防相の令状実質審査を終えた後、「犯罪の重大性と容疑の疎明程度、証拠隠滅の恐れなどを考慮した」として拘束令状を発布した。検察は金・前国防相の拘束令状に「尹大統領と共謀し、国権紊乱(びんらん)を目的として内乱を謀議した」と適示したと伝えられているが、裁判所もこの容疑が疎明されたと考えたのだ。今月3日の尹大統領の非常戒厳宣布から1週間を経て出た、裁判所の初の判断だ。

 南部長判事はまた、金・前国防相の内乱容疑は検察の捜査対象に該当すると見なした。南部長判事は「検察庁法4条1項1号ナおよびタ目によって検事が捜査を開始できる犯罪の範囲内に該当する」とした。この条項は、検察の捜査対象に「警察公務員の犯罪」および「それに関連のある犯罪」が含まれると定めている。検察はこれまで、趙志浩(チョ・ジホ)韓国警察庁長らを内乱の共犯とみて、関連容疑者らを捜査できると主張していたが、裁判所がこれを受け入れたのだ。

 金・前国防相は10日の午前、「今回の事態のあらゆる責任は私にある」としつつも、裁判所で行われた令状実質審査には出席しなかった。弁護人も審査に参加しなかった。特捜本部の検事たちだけが出席し、金・前国防相の身柄拘束の必要性を述べたと伝えられている。

 検察は、尹大統領が金・前国防相と朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長(前戒厳司令官)、郭種根(クァク・ジョングン)前特殊戦司令官、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前国軍防諜(ぼうちょう)司令官、趙庁長などと共謀して内乱を起こしたものとみている。金・前国防相は検察の事情聴取で「布告令を直接書き、尹大統領とも布告令の内容を相談した」という趣旨で供述したという。このほかにも、尹大統領が戒厳状況を総指揮したという証言も多数確保したと伝えられている。

 尹大統領に適用の可能性がある内乱首謀者の容疑は、法定刑が死刑、無期懲役・禁固だ。ただし、減刑事由が認められれば10-50年の有期懲役刑が宣告されることもあり得る。検察は、尹大統領を直接取り調べる必要性があると判断したと伝えられている。

 検察の特捜本部は金・前国防相の身柄拘束の直後、「今後、関連機関と緊密に協力して、地位の高低を問わず厳正に捜査して今回の内乱事態の全貌を明らかにしたい」とコメントした。

パン・グクリョル記者

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  • ▲金竜顕国防相(当時)が11月28日午前、ソウル市汝矣島の韓国国会で開かれた国防委員会全体会議に出席して考え込んでいる様子。/ニュース1

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