韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣布した3日の夜、中央選挙管理委員会果川庁舎を占拠した戒厳軍が、電算室に入って選挙人名簿システムのサーバーを撮影したことが明らかになった。韓国国会行政安全委員会所属の野党議員らは6日、国会で選管の防犯カメラ映像を公開し、「戒厳軍の選管掌握の目的は電算サーバーだったとみられる」とし、「戒厳軍が、選挙時の期日前投票名簿を管理している統合選挙人名簿システムのサーバーやセキュリティシステムが構築されたサーバーなどを撮影した」と語った。その上で「非常戒厳は不正選挙陰謀論者らの主張に基づき、緻密(ちみつ)に計画・実行されたもの」だと主張した。
【時系列で見る】22時29分非常戒厳宣布演説終了→同31分電算室に入る戒厳軍
中央選挙管理委員会は同日、「現在までの時点で戒厳軍の内部資料搬出はなかった」としつつ、「追って被害の有無を綿密に確認・点検し続ける予定」とコメントした。盧泰嶽(ノ・テアク)中央選挙管理委員長は、戒厳軍の庁舎占拠は「明白な違憲・違法行為」だとし、「強く遺憾を表する」と述べた。
先に金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相は今月5日、メディアに送った声明で、戒厳軍を中央選挙管理委員会に送った理由について「多くの国民が不正選挙疑惑を提起していることに伴い、今後捜査するかどうかを判断するためにシステムと施設の確保が必要だと判断した」と説明していた。
これまで、一部の保守団体やユーチューバーは4・10総選挙の不正選挙説を主張し、選管への捜査を求めてきた。尹大統領もこれに傾倒していた可能性がある、という声が上がっている。ネットメディアの「ニュース打破」は、大統領選当時の尹錫悦陣営で2021年12月29日に作られたものだとしつつ、「不正選挙関連管理対策」という文献を公開した。この文献によると、尹陣営は「大統領選で選挙不正により与野党対立が再現されるだろう」としていた。また、楊正哲(ヤン・ジョンチョル)氏が進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の民主研究院長を務めていたころ、同院が中国共産党中央党校と交流協約を締結したとして、選挙に対する「中国介入説」を主張していた。
キム・ギョンピル記者