韓国女子プロバスケットボール・リーグ(WKBL)所属のチーム、清州KBスターズは昨シーズンまでリーグ最強チームとして君臨し、「鉄壁のバスケットボール」のシンボルとされてきた。その中心にはパク・ジス(25)がいた。身長196センチメートルのパク・ジスは昨シーズン、チームを公式戦1位に導き、シーズン後に行われた授賞式で2ポイントシュート賞、得点賞、リバウンド賞、ブロック賞、ユン・ドクジュ賞、優秀守備賞、ベスト5のほか、史上5人目の満場一致によるMVPまで、計8冠に輝いたチームの柱だった。しかし、今年5月にトルコ・スーパーリーグのガラタサライSKとの契約が決まり、欧州に進出することになった。韓国代表のセンター、パク・ジスの離脱で、新シーズンを前に「最弱」と言われたKBスターズ。ところが、その中からチームの再建をリードする新たな選手が現れた。それが日本の新鋭・永田萌絵(27)=174センチメートル=だ。
今月1日、清州体育館で行われた仁川新韓銀行S・バードとの公式戦。KBは4連敗という不振の沼から抜け出そうと必死だった。そうした中、永田は自身の価値を遺憾なく証明し、チームを勝利に導いた。第4クオーター、たった1点差という張り詰めたムードの中、永田の活躍は目覚ましいものだった。果敢な突破でムードを一変させて得点すると、ホ・イェウンの3ポイントシュート、そして試合終了直前の決定的な追加フリースローが続いた。永田は同日、21得点、9リバウンドを記録し、チームを74-69の勝利に導いた。
公式戦序盤で11試合に出場した永田は平均32分18秒出場し、平均得点(13.82点)はチーム内1位(リーグ3位)、リバウンド(7.27本)はチーム内2位、そして2.9アシストなど多方面でチームの中心的な役割を果たしている。素早い動きとスペース創出力をベースに、チームメイトを助ける連携プレーヤーとしても際立っている。しかも、ホ・イェウンやカン・イスルといったチームメイトの活躍を最大限に引き出し、チーム攻撃の中心軸という役割を担っている。永田の速攻中心のプレースタイルは、パク・ジスがいた時のKBのバスケットボールとは全く違うカラーとなっている。
永田はWKBLに今シーズン初めて導入されたアジア・クォータ制度によって同チームに入った。アジア・クォータ制度では各チームにアジアから来た選手を最多で2人入れることができ、そのうち1人が出場可能だ。ドラフトによって第1ラウンド5位でKBに指名された永田は、2019年から2022年までは日本のトヨタ自動車アンテロープスで、2022年から2024年まではデンソーアイリスでプレーした。日本の3×3代表チームに何度も選ばれ、数多くの国際大会にも出場した経験がある。KBの関係者は「『8時間以上は必ず寝なければならない』と言ったり、公式練習の1時間前から来てウォーミングアップしたりと、模範的な選手として選手全員に良い影響を与えている」と語った。
ドラフト(第2ラウンド2位)で一緒に選ばれた同じ日本陣選手の志田萌(23)=166センチメートル=はケガでまだ試合に出場できていないが、KBはファンのために「萌えデー」というイベントを開催するなど、「萌え萌え」効果で再びファンのハートをつかもうとしている。
ヤン・スンス記者