尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜の「非常戒厳」宣布に先立ってソウル竜山の大統領室で国務会議(閣議)を開き、非常戒厳宣布案を審議に付託した際、出席した閣僚の多数が非常戒厳宣布に反対していたことが分かった。しかし尹大統領は非常戒厳宣布を推し進めたのだという。
与党関係者が4日に明らかにしたところによると、3日夜、韓悳洙(ハン・ドクス)首相をはじめとする閣僚らに対し、大統領室に来るよう連絡があった。全閣僚19人のうち約半数が大統領室に到着し、午後9時ごろ閣議が開催されたという。韓首相をはじめ閣僚の大多数は非常戒厳宣布案が審議されることを事前に知らされておらず、現場で初めて知ったことが分かった。
韓国国防部(省に相当)は、金竜顕(キム・ヨンヒョン)長官が非常戒厳宣布を尹大統領に建議したと明らかにした。戒厳法によると、国防部長官は首相を通じて大統領に非常戒厳の宣布を建議することができる。
韓首相をはじめ閣僚の多数は非常戒厳宣布に強く反対したという。閣議に出席したある閣僚は「(非常戒厳を宣布しなければならないという)談話の内容について大統領の意思が非常に固く、誰も止められなかった」と話した。
韓国憲法と戒厳法によると、非常戒厳の宣布は大統領権限に属しており、閣議は非常戒厳宣布案を審議するだけで、これに関する賛成・反対を議決することはできない。非常戒厳を宣布するという尹大統領の意思が固い以上、閣僚らが法的に尹大統領を阻止する手立てはなかったわけだ。その後尹大統領は午後10時23分からの対国民談話で、非常戒厳の宣布を発表した。
キム・ギョンピル記者