【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が3日夜に非常戒厳を宣言してから4日未明に国会で解除要求決議案が可決されるまでの全過程は、SNS(交流サイト)を通じて韓国国民にリアルタイムで共有された。
非常戒厳の宣言直後から市民らがスマートフォンを手に国会に集まり、国会上空を飛行する軍のヘリコプターや完全武装した戒厳軍が国会に突入する様子の写真や映像を通信アプリのグループチャットなどで拡散した。
また、政治家は国会内部の状況を動画投稿サイト「ユーチューブ」のライブ配信で公開した。
最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が塀を乗り越えて国会に入る姿を中継したユーチューブのライブ配信は238万人が視聴した。国会本会議を主宰した禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長のユーチューブチャンネルも視聴者数が60万人を超えた。
一部では、国民が騒動の一部始終を見守ったことによって、過去とは異なり大きな衝突なしに戒厳解除が可能になったとの見方も出ている。
ソウル大の金白永(キム・ベギョン)教授(社会学)は、「前回戒厳令が出された45年前は全ての状況をリアルタイムで共有することができず、言論統制が容易だっただろう」としながら「今回の非常戒厳自体が十分な準備の下に進められたのかも疑問だが、事態がすぐに一段落したのは国民が見守った効果もありそうだ」と述べた。