【世宗聯合ニュース】韓国電力取引所でクリーン水素発電の初入札が行われ、年間750ギガワット時(GWh)の電力供給計画を提出した発電所が落札した。産業通商資源部が2日発表した。
同部は明らかにしなかったが、落札したのは発電事業会社の韓国南部発電とされる。
同社は2028年から15年間、クリーン水素ベースのアンモニアで発電し、固定価格で電力を供給する。東部・三陟の石炭火力発電所、三陟グリーンパワー1号機の石炭の燃料比率を80%に引き下げ、水素化合物のアンモニアを20%混ぜる「混合燃焼」方式で発電する。
大量のCO2を排出する火力発電所でクリーン水素を使う方式の商用発電市場を開設し運用するのは韓国が世界初。こうした技術を活用すれば同量の電気を生産しても石炭や液化天然ガス(LNG)のみを使うときよりも相対的に温室効果ガスの排出を減らせる。
世界的にカーボンニュートラル(炭素中立)達成に向けクリーン水素を使った発電技術が開発されているが、まだ開発の初期段階だ。クリーン水素の価格も一般燃料よりも高価で商業化発電の段階に進めずにいる。
韓国政府は初のクリーン水素市場で水素と水素化合物の混合燃焼比率を20%と提示した。
クリーン水素発電市場は初期段階では100%水素を使った発電方式よりは、クリーン水素とLNGを一定比率混ぜたものや、クリーン水素ベースのアンモニアと石炭を混ぜたものを燃やす混合燃焼タービン発電機を使うなど、過渡的な段階を経ると見込まれる。
韓国政府は長期的にはLNG発電で水素燃料比率100%、石炭発電ではアンモニア発電の比率を50%まで高める技術ロードマップを策定する方針だ。クリーン水素の入札市場を拡大し、2030年にはクリーン水素発電市場の規模を年間13テラワット時(TWh)、総発電量の約2%に拡大する計画だ。