周辺の一般国民は党員掲示板を巡る論争に別に関心がない。野党からは「政権与党は本当に暇だ」と言われている。それでも与党が3週間もこの問題にとらわれている背景には、金建希夫人問題を巡る与党内部の政治的・感情的な力学が働いているとみられる。
親尹系は「金建希特別検事法」を阻止できなければ、尹大統領の弾劾を阻止する戦線も開かれるとみている。一方、親韓系は金建希夫人問題と尹大統領を切り離し、「夫人リスク」を軽減して、尹大統領を守りたい構えだ。このような認識の差に加え、尹大統領夫妻の韓代表に対する感情的問題も深く関わっている。
家族が中傷する文章を書いたことが明らかになれば、韓代表は打撃を受けることになるだろう。その間、尹大統領による謝罪後に期待された「スピード感ある刷新」は派閥争いに埋もれてしまった。尹大統領が約束した特別監察官の推薦もいつになることやらだ。
国民の力は尹大統領夫妻の選挙公認介入を巡る「ミョン・テギュン疑惑」で2日連続で党本部の家宅捜索を受けた。検察はミョン氏の公認介入、世論調査操作疑惑に照準を合わせている。公職選挙法違反事件に続き、偽証教唆事件でも一審有罪を受けると予想されていた民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表はさらに強くなって帰ってきた。民主党は国政監査での偽証を理由に監査院長の弾劾手続きに入り、世論調査操作と収賄の疑いで逮捕状が請求された自党議員の逮捕同意案を否決してしまった。
今の与党は尹錫悦政権発足後に現れた慢性病の症状を示し続けている。少しでも息をつく間があれば権力闘争を繰り広げる症状はもはや不治の病となった。それを自覚もできない上、状況を楽観していることはさらに問題だ。
崔宰赫(チェ・ジェヒョク)記者