カメラマンたちは明るい色の服を着た招待客たちを後ろに並ばせ始めた。これが「明るい色の服=迷惑な招待客」という公式を多くの人々の脳裏に植え付けた。あるブライダル写真業者は「花嫁たちが『明るい色の服のゲストは撮影から外してほしい』『ジャケットの中の白いシャツも気になるので写真加工アプリで暗い色に処理してほしい』とあらかじめ要望してくる」と語った。
最近の「迷惑な招待客」ナンバーワンはご祝儀が少ない人や、結婚式に出ないで食事だけをしていく人ではなく、花嫁より目立つくらいきれいな招待客だという。きれいかどうかは主観の問題だが、服の色だけで「花嫁より目立とうとしている」という不純な意図の有無を判断できるとは、魔女裁判も簡単になったものだ。
招待客の「黒コーディネート」をめぐる「苦情のプロ」(あらゆることに過敏に反応して苦情を言う人)たちの相互検閲と対立は想像以上だ。結婚準備に関するネット掲示板や交流サイト(SNS)では、明るい色やリボンのついた服を着て花嫁のそばに立つ招待客に目を付け、「頭がおかしいんじゃないですか?」「自分の結婚式だと思っているようですね」などと非難の声を浴びせている。
さらに、数年前に紫色や黄色の服を着て結婚式に行った有名人が「レジェンド級の迷惑な招待客」として再び俎上(そじょう)に載せられることもある。「このワンピースは迷惑でしょうか?」「ベージュのジャケットを着て行ったのが気にかかっているのですが、遅くても今から花嫁に謝った方がいいですか?」といった「罪の告白」も多い。
韓国では当然とされてきた結婚式における親族側の女性たちの韓服も、「華やかだ」という理由でほとんどなくなり、両家の母親だけが着る傾向になりつつある。目上の親族女性が白いチョゴリ(韓服の上衣)に赤いチマ(韓服のスカート)という服装で出席したとして、花嫁が「私の結婚式を台無しにしようとした」と激怒し、親族の間で大ゲンカになったケースもある。
30代女性のイさんは「友人たちに『私の結婚式の時は、お願いだから華やかな服で来てほしい』と頼んだのに、結局は黒一色になってしまった。他人に何か言われるのではないかと思って、警戒してしまったようだ」と語った。
正しいにしろ間違っているにしろ、他人と同じにしなければ人格攻撃される社会。これほどまでに薄黒く、くすんでしまっている。
鄭始幸(チョン・シヘン)記者