佐渡金山の共同追悼式は不発、日本が韓日の協力を台無しにしている【11月25日付社説】

佐渡金山の共同追悼式は不発、日本が韓日の協力を台無しにしている【11月25日付社説】

 24日に韓日が共同で開催する予定だった佐渡金山の犠牲者追悼式が、日本側の出席者だけで韓国側が出席しないまま行われた。日本側の代表者が靖国神社(A級戦犯を合祀〈ごうし〉)を参拝していた疑惑が取りざたされた上、追悼の辞の内容も我々の要求を満たすものではなかったため、韓国政府は23日に不参加を決定したのだ。日本の各メディアは、追悼式の日本側代表である外務省の政務官(次官級)が「2022年8月15日に靖国を参拝した」と報じた。この政務官は追悼式で「朝鮮半島(韓半島)の労働者は危険で過酷な環境の下で困難な労働に従事した」と述べたが、徴用の強制性を認めることもなければ、反省する内容もなかった。韓国は25日に犠牲者の遺族9人と共に、独自に追悼式を開催することにした。

【写真】独自開催された韓国人犠牲者追悼式の様子

 日本が今年7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に佐渡金山を登録することができたのは、韓国が配慮したおかげだった。佐渡金山は朝鮮人の強制労働があった現場だ。世界遺産への登録はユネスコ加盟国全体の同意が必要になるため、韓国が反対すれば実現は不可能だった。日本は韓国の同意を得るために、犠牲者の追悼式開催と朝鮮人労働者に関する展示を約束した。韓国政府は韓日関係改善という大局的な観点から、日本の約束を信じて賛成票を投じた。ところが日本は朝鮮人労働者に関する展示スペースを佐渡金山から2キロも離れた場所に設置した上、「強制労働」に関する表現も盛り込まなかった。今回は共同追悼式という約束さえもきちんと守らなかったのだ。

 日本は軍艦島(端島)炭坑の世界遺産登録の時もそうだった。韓国政府が強く反対すると「1940年代に韓国人などが自分の意思に反して動員され、過酷な環境の下で強制労働に従事させられたことがあった」と認め、展示施設に犠牲者を追悼する内容を盛り込むと約束した。ところが世界遺産登録に成功すると、態度を変えた。

 来年は韓日国交正常化60周年に当たる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記による核の暴走にはブレーキがなく、中国は覇権に対する野望をむき出しにしている。トランプ氏の大統領当選で米中関係も荒波が予想される。これまで以上に韓日関係の改善が必要な時期であるだけに、韓国政府は政治的に重荷になる過去史問題で日本への配慮を示した。ところが日本はそれに応えるような措置を取っていない。こんな状態で未来のための韓日関係をどうやって切り開いていけるだろうか。

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