職務停止処分中の李起興・大韓体育会長、「IOC委員資格」を口実に出勤し波紋

 職員の不正採用や金品授受など複数の不正を行ったとして職務停止の処分を受けた大韓体育会の李起興(イ・ギフン)会長が大韓体育会に出勤し、業務を行ったことが分かった。李起興会長は「国際オリンピック委員会(IOC)委員の資格で大韓体育会を訪問した」と主張しているが、実際は会長室で2025冬季アジア大会関連業務について担当者と協議し、その後は忠清北道鎮川の選手村を訪問したという。

 大韓体育会労働組合が21日に明らかにしたところによると、李起興会長は同日午前10時30分ごろ、大韓体育会が入るソウル市松坡区のオリンピック会館に出勤した。その際30人以上の組合員が抗議したが、李起興会長は意に介さずエレベーターで会長室のある13階に向かった。

 李起興会長は息子の友人を鎮川選手村職員として不正採用したことや、スポンサーから提供された物品の私的流用などが政府の調査で明らかになり、警察は関連する容疑について今も捜査を続けている。また大韓体育会を所管する文化体育観光部(省に相当)もすでに李起興会長に職務停止処分を下した。李起興会長は自らの職務停止について裁判所に仮処分申請を出しているが、裁判所の判断がまだ下されていないため、職務停止は今も有効だ。会長として大韓体育会の業務を行ったとすれば、職務停止に違反したことになる。

 文化体育観光部から職務停止の通知を受けた後に李起興会長が大韓体育会に出勤するのはこの日が初めてで、李起興会長は「IOC委員としてオリンピック会館を訪問しただけだ」と主張している。しかし李起興会長は会長室に入り、大韓体育会の担当職員を呼んで2025年にハルビンで開催される冬季アジア大会の選手団長選定など大韓体育会の懸案について協議を行った。李起興会長は午後には鎮川選手村を訪問し、選手村の張在根(チャン・ジェグン)所長らとアジア大会に向けた協議を行った。鎮川選手村で勤務する大韓体育会労働組合員らも李起興会長に抗議するデモを行った。

 大韓体育会労組は「IOC委員なら大韓体育会での仕事はないはずだ。たとえあるとしても大韓体育会(NOC=各国のオリンピック委員会)長の資格でIOC委員に選任された者が会長職務停止状態でIOC委員の立場を口実とするのは言語道断だ」と批判した。

キム・ヨンジュン記者

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  • ▲大韓体育会労働組合が抗議行動を続ける中でオリンピック会館に出勤する大韓体育会の李起興(イ・ギフン)会長(中央)。21日朝撮影。/大韓体育会労働組合

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