「事件当時、中国の貨物船が現場を航行していた」 バルト海で独・フィンランド間の海底通信ケーブル2本切断

スウェーデンとリトアニア、フィンランドとドイツをつなぐ2本の海底ケーブルが24時間以内に切断される
昨年10月にも香港船籍の貨物船がバルト海の海底ケーブルを切断

 ロシアによるウクライナ侵攻を受けてフィンランドとスウェーデンは中立国の立場を放棄し、フィンランドは昨年4月に、スウェーデンは今年3月に北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟したと発表した。

 これらの理由からこの事件は背後にロシアの関与が疑われている。NATOに加盟する欧州諸国は以前から「ロシアは西側諸国によるウクライナ支援を阻止するため、サイバー攻撃やインフラ施設への放火など、ハイブリッド戦術を駆使している」と非難してきた。昨年2月にはオランダの情報機関が「ロシアの情報収集船が北海のガスパイプラインや風力発電施設などのインフラを極秘に把握し、サボタージュの準備を進めている」と発表した。

 中国の貨物船は2023年10月にもいかりを下ろした状態で航行し、フィンランドとエストニアをつなぐ海底ガスパイプラインやケーブルを破損した。両国は当時「香港船籍の貨物船ニューニューポーラーベアーの運航経路はガスパイプラインとケーブルの破損地点と一致していた」と指摘した。しかしこの事故が偶発的か、あるいは意図的に行われたかは明言しなかった。今回の伊鵬3もニューニューポーラーベアーもいずれもロシアの港から出港していた。

 ロシアによるウクライナ侵攻後、バルト海ではロシアと中国の船舶による活動が活発化しているため、NATOはこれらの動きを注視している。

 スウェーデンの公共テレビ局SVTやフィンランドの複数のメディアは「19日に伊鵬3はデンマークのグレートベルト・リンク(橋)を過ぎてバルト海から北海に向かった」「デンマーク海軍の2隻の艦艇が伊鵬3をモニタリングしている」と報じた。北欧のバルト海はロシアを含む9カ国に囲まれているため、船舶の航行が活発で多くの海底ケーブルが網の目のように張り巡らされている。

李哲民(イ・チョルミン)記者

【写真】済州沖に押し寄せた中国漁船の大群

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  • ▲バルト海の通信用海底ケーブル2本が切断された現場海域では当時中国の貨物船「伊鵬3」が航行していた。/グラフィック=チョソン・デザイン・ラボ、クォン・ヘイン

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