文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に、大統領府・国防部(省に相当)の実務陣が、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)に関連する韓米の軍事作戦の内容(2級秘密)を外部に知らせろという指示に反発していたことが分かった。しかし大統領府の安全保障ラインの高官らはこれを黙殺し、軍事作戦の情報流出が強行されたという。先に監査院は、文政権時代の大統領府が、慶尚北道星州に臨時配備されたTHAAD部隊のミサイル交換のための軍事作戦の内容を反対派市民団体や駐韓中国大使館に漏らしていた状況をキャッチした。
【表】「強力な電磁波で私の体が揚げ物になりそう♪」 共に民主の替え歌に見るTHAAD脅威扇動史
19日の本紙の取材を総合すると韓米両軍当局は、当時THAAD部隊が臨時配備されていた慶尚北道星州・韶成里の基地に2020年5月28日の夜から29日の未明にかけて、奇襲的に輸送作戦を行うこととした。ランチャーに装填(そうてん)されたミサイルのうち、運用期限が過ぎたものを交換し、発電機など他の古くなった装備の一部も新品に替える作戦だった。ランチャーを追加したりミサイルの数を増やしたりしようとするものではなく現状維持のための作業だったにもかかわらず、奇襲作戦方式を選んだのは、THAADに反対する住民らとの衝突を避けるためだった。
ところが青瓦台の安全保障ラインからは、この作戦に先立って「作戦内容を中国政府やTHAAD反対派市民団体などにあらかじめ知らせろ」という趣旨の指示が出た、と伝えられている。監査院は、指示を受けた青瓦台と国防部の実務陣がこれに反対したという趣旨の供述を確保したという。司法関連当局の関係者は「当時、実務者らは2級秘密に該当する軍事作戦の内容を外部に漏らすのは法的に問題になりかねない、と考えたものとみられる」と語った。
しかし反対は黙殺され、指示が繰り返された末に、韓米軍事作戦の作戦名や作戦日時、作戦内容などが外部に流出したという。実務者らは駐韓中国大使館の駐在武官に軍事作戦の内容を「事前説明」し、市民団体にも軍事作戦の日程が伝えられた。これにより、実際の作戦では軍と住民間の衝突が起きた。