米民主党アンディ・キム氏当選…韓国系初の連邦上院議員 /ニュージャージー州

 「このホテルは37年前に私が5歳だったとき、家族と初めてニュージャージーに来て最初の数週間を過ごした場所です。このホテルはアメリカン・ドリームの重要な節目でした」

 5日夜に米ニュージャージー州のホテルで開催された連邦上院議員当選記念行事で、民主党から立候補した韓国系のアンディ・キム氏(42、ニュージャージー州下院議員)が涙を流しながら語った。キム氏は「古い時代は終わりわれわれには未来が待っている」と述べた。

 今回大統領選挙と同時に行われた連邦上院議員選挙でキム氏は韓国系として初めて当選した。1993-99年にカリフォルニア州下院議員を務めたキム・チャンジュン元議員を皮切りに韓国系の連邦下院議員は複数いるが、上院議員への当選は韓人の米国移民120年以上の歴史で今回が初めてだ。キム氏は開票率89%の時点で53.1%の得票率を得て共和党のカーティス・バショー候補を破り当選が確定した。

 キム氏は1982年にマサチューセッツ州ボストンで生まれた移民2世だ。シカゴ大学で政治学を専攻し、英オックスフォード大学で国際関係学の博士の学位を取得した。2011年にはアフガニスタンのカブールで米軍のデイビット・ペトレアス司令官の参謀スタッフを務め、オバマ政権当時の2013-15年にはホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の中東担当補佐官を務めた。シカゴ大学在学中にホームレスを支援する人権団体で活動し、当時シカゴ選出の州上院議員だったオバマ元大統領と関係を築いたという。

 第1次トランプ政権当時の2018年にはニュージャージー州第3選挙区連邦下院議員選挙に民主党から出馬し初当選した。20年の大統領選挙の際、敗北を不服としたトランプ氏の支持者らが翌年1月6日に引き起こした議会占拠事件直後、現場の議会で早朝から静かにごみを片付ける姿がカメラで撮影され、全国にその名が知れ渡った。昨年9月に地元選出の上院議員だったボブ・メネンデス氏が収賄などの容疑で起訴され辞職したため、その後を引き継いで今回当選を果たした。

 キム氏の父はアルツハイマー治療法研究者の遺伝子工学博士で、母はニュージャージー州の病院で看護師として働いていた。ポリオ患者だった父は韓国の孤児院で育ち、国費奨学生として米国にやって来た。姉のモニカ・キム氏はイェール大学とミシガン大学を卒業した歴史学者だ。現在ウィスコンシン大学マディソン校で教授を務めるキム氏は6・25戦争と米国外交政策の変遷を研究し2022年にマッカーサー・フェロー賞を受賞した。

 別の韓国系候補では下院3選にチャレンジしているヨン・キム議員とミシェル・パク・スティール議員(いずれもカリフォルニア州、共和党)、マリリン·ストリークランド議員(ワシントン州、民主党)がいずれも先頭を走っている(韓国時間6日午後10時)。また連邦下院議員に初挑戦したデイビッド・キム氏とデーブ・ミン氏(いずれもカリフォルニア州、民主党)は2位にとどまっている。

ニューヨーク=尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員

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  • ▲5日に投開票が行われた米上院議会議員選挙で当選しあいさつする韓国系のアンディ・キム・ニュージャージー州下院議員/尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員

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