北朝鮮の超大型ロケット砲発射 韓国への核威嚇か=全土が射程圏内

【ソウル聯合ニュース】韓国軍合同参謀本部は5日の記者会見で、北朝鮮が同日午前7時半ごろに発射した数発の短距離弾道ミサイル(SRBM)について、戦術核の搭載が可能な口径600ミリ級の超大型放射砲(多連装ロケット砲)「KN25」と推定されると発表した。

 北朝鮮が先月31日に行った新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星19」の発射が米国を核兵器で攻撃できるという威嚇であるとすれば、この日のミサイル発射は韓国に対する核の威嚇と受け止められる。

 合同参謀本部の関係者は600ミリ口径の放射砲はこれまで平壌から発射されていたが、今回は韓国に近い平壌南方の黄海北道・沙里院付近から発射されたと指摘。同地から発射すれば朝鮮半島の南端までほとんどが射程圏内に入ると説明した。合同参謀本部によると、この日発射されたミサイルは約400キロ飛行した。

 同本部関係者は、北朝鮮が移動式発射台(TEL)を使って発射したとし、「韓国側に対し奇襲的な戦術核攻撃が可能であることを誇示する意図がある」と分析した。北朝鮮は昨年3月に公開した戦術核弾頭「火山31」を口径600ミリ級の超大型放射砲に搭載できると主張している。

 軍当局は今後予想される北朝鮮の挑発として▼極超音速ミサイルまたは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射▼7回目の核実験▼宇宙発射体の打ち上げ▼西北島しょや境界線付近での銃撃や砲撃▼無人機の侵入▼全地球測位システム(GPS)への妨害電波発信――などを挙げている。

 合同参謀本部の関係者は極超音速ミサイル発射準備が進んでおり、SLBMも発射準備が東部の咸鏡南道・新浦で続いていると明らかにした。同関係者は「核実験も常に準備されている」とし「核物質の増産活動が1年中行われ、年初の予想より(核物質が)増えたものとみられる」と説明した。さらに、「(北朝鮮の核実験場がある)豊渓里の3番坑道は常に準備できた状態だ」とし、「決心さえすれば数日以内に実施できる程度に準備ができている」と伝えた。

 軍当局は、北朝鮮が7回目の核実験を実行する場合、超大型放射砲などに搭載する小型核弾頭の爆破実験になるとの見方を示した。同関係者は「核兵器の小型化はどの国でも高度な技術だ。爆発してみないと分からない」とし、「北が核実験をする場合、小型化実験の優先順位が最も高い」と述べた。

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