やはり李承晩は正しかった【コラム】 韓江氏のノーベル文学賞受賞

韓江氏のノーベル文学賞受賞、北朝鮮体制下では想像すらできないこと
ノーベル科学賞も韓国から出るだろう、自由な大韓民国を建国し守り抜いたおかげ

 独立闘争時期から政府樹立に至るまで、一貫して共産主義に反対し、自由民主主義による大韓民国の建国に向けひたすら努力した有力な政治家は、故・李承晩(イ・スンマン、1875-1965)が唯一だったと言っても過言でない。大韓民国が産業化と民主化を経て巨大な大木に育つまでは、雷に打たれ、枝も切られ、多くの傷によって節も生じたが、李承晩が未来を見通す千里眼と勇気で自由民主主義の根を深く植え付けたため、今日の驚くべき成功がある。東欧から朝鮮半島北部まで拡散した共産化を防ぎ、侵略戦争から国を守り、選挙を通じて権力者を変える国の礎を築くことができたため、今日のノーベル文学賞受賞もあり得たのだ。

 韓江氏は小説よりも詩から文学の世界に足を踏み入れた。詩集『引き出しに夕食をしまっておいた』には、人生の苦痛と死に対するイメージが色濃く描かれている。韓江氏は塀の下の白い石を見て言う。「いいな、あなたには命がなくて」(「静かな日々」)、また「私は死んでいたのに/死んで春の日の小川を歩いていたのに/ああ、死んで良かったのに」(「青い石」)とつづった。作家の認識が気に入らない方もいるだろう。しかし、川辺の石を見て、千年の歳月に耐える無限の生命力だけを歌わなければならないとすれば、すでに文学は成立しない。受賞後に起こったいかなる論議も、今の大韓民国であるからこそ可能なことなのだ。

 来年は日本による植民地支配から解放されて80年を迎える。また、李承晩生誕150年、逝去60年の年でもある。来年以降、韓国語で思索する人の中でノーベル科学賞受賞者が初めて誕生するならば、その人も朝鮮半島の北側でなく、南側の人であることには変わりない。頑固なまでに自由民主主義の国に固執し、大韓民国を守り育ててきた李承晩はやはり正しかったのだ。

李漢洙(イ・ハンス)記者

【写真】「韓国国立中央図書館で韓江の本を読もう」

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