徴用訴訟 また日本製鉄などに賠償命じる=韓国地裁 

【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁は30日、日本による植民地時代に強制徴用された韓国人被害者9人が日本製鉄を相手取って起こした損害賠償訴訟で、1人当たり1億ウォン(約1100万円)を支払うよう命じる判決を言い渡した。

 地裁は「負傷、死亡の確立が高い環境で給与をきちんと支給せず強制労働をさせたことを踏まえれば、日本製鉄の行為は反人道的」と指摘した上で、「被告は精神的苦痛に対して賠償する責任がある」と説明した。

 同地裁は被害者5人と3人が三菱重工業を相手取って起こした損害賠償訴訟でも、原告に8800万ウォン、1億ウォンをそれぞれ払うよう命じた。

 強制徴用訴訟の焦点は損害賠償請求権の消滅時効の起算点だ。

 被告側は時効が完成したと主張しているが、地裁は大法院(最高裁)の全員合議体による判決で徴用被害者の司法による救済が可能になった2018年10月30日を消滅時効の起算点と判断したとみられる。

 大法院は昨年12月、18年の判決が言い渡されるまでは被害者が損害賠償の請求権を行使できない「障害理由」があったとする判断を示した。その後、徴用被害者の請求権を認めた判決が相次いで言い渡されている。

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