習近平風刺「くまのプーさんコスプレ」を懸念? 上海のハロウィーン関連イベント全面禁止

 中国・上海の警察が、ハロウィーンを前に関連のイベントを全面的に統制する見通しだ。一部では、昨年のハロウィーンの時期に若者が「くまのプーさん」などの仮装で習近平国家主席を風刺したことが規制の背景にあるとの分析も示されている。

【写真】習近平主席とくまのプーさんを比較した写真…中国のSNSに出回った

 米政府系のラジオ自由アジア(RFA)は21日(現地時間)、現地警察の内部文書を引用し「上海・黄浦地区の警察、官僚、事業主らは、ハロウィーンのコスプレ活動に対する『厳格な統制』を施行する予定」と報じた。

 文書によると、ハロウィーンの前後に黄浦区の周辺地域ではあらゆるコスプレ活動が禁止され、ハロウィーンの仮装はどんなものであっても許容されない。地域内の建物はカボチャ、幽霊、棺桶、骸骨などハロウィーン関連の飾り付けは一切禁じられ、恐怖や暴力などの要素も許容されないと明示されている。また、「オンライン・オフラインの販促品にハロウィーンに関する言葉や関連の英語を入れるのは禁止」との内容も盛り込まれている。

 RFAは、先ごろ中国のSNS(交流サイト)に「今年は上海の街でハロウィーンを楽しもう」という投稿があった直後から当局が対応に乗り出したと指摘した。特に、昨年10月に上海でさまざまな仮装をした若者たちが街にあふれ、ハロウィーンを楽しんでいたことが当局の対応の背景にあるとRFAは指摘した。

 実際に昨年のハロウィーンでは、上海の若者たちは中国当局の検閲対象である「くまのプーさん」をはじめ、中国による3年前の「ゼロコロナ政策」を象徴する防護服のコスプレで街に繰り出した。くまのプーさんは、2013年に習近平国家主席が訪米した際の姿が童話の主人公のプーさんにそっくりだとして一部のネットユーザーが風刺して以降、習近平主席を批判するキャラクターとして使われるようになった。

 これに関連し、RFAは「昨年、上海のハロウィーンイベントでの若者の仮装は、政府に関する風刺や、西洋発祥のイベントを嫌悪する中国当局への抵抗だった」として「昨年の仮装は、問題に直接関わらずに当局に政治的な一撃を加えられる相対的に安全な方法に見えたが、今年はハロウィーンの参加者たちは上海当局と衝突する可能性がある」との見方を示した。

 今回、ハロウィーンの仮装や装飾を全面的に禁止した上海警察の内部文書は既に地域内で流出し、住民らはこのような統制に反発していることが分かった。

 黄浦地区に住むマオさんは「最近、イデオロギー統制がどんどん強化されている。しかし若者たちはいつでも反抗的だった」「若者を強く統制しようとすればするほど、彼らはいっそう反抗しようとする」と話した。別の住民グォさんも「上海は最近、非常に厳しく統制されている」として「外部の人たちには上海の繁栄ばかりが見えるが、表に見えない部分では細かな統制がたくさんある」と語った。

パク・ソンミン記者

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