大学の講義中に、旧日本軍の慰安婦被害者について「自発的な売春だった」などと発言して裁判にかけられた柳錫春(リュ・ソクチュン)元延世大教授(69)が、二審で無罪判決を受けた。
ソウル西部地裁は24日、虚偽事実適示による名誉毀損(きそん)の罪などで起訴された柳・元教授の控訴審で、無罪を宣告した一審判決を維持した。
今年1月に行われた一審では「被告による大学の講義中の発言は通念から外れており不適切だ」としながらも「憲法で保障する学問の自由は最小限の制限にとどまらなければならない」と判断した。
この日の二審でも「被告の発言が通念から外れ、比喩も不適切だった点はあるが、大学での講義中に、学生との質疑応答の課程で起きたこと」だとして「被害者個々人を特定して発言したというよりは、一般的、抽象的に、対象全体に対して発言した点などを考慮し、事実適示とは見なしがたいとしたもので、このような判断は正当だ」と指摘した。
ただし二審では、「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協、慰安婦被害者を支援する正義記憶連帯の前身)が、旧日本軍に強制動員されたと証言するよう慰安婦被害者の女性たちを教育した」という柳・元教授の発言については名誉毀損罪に当たるとして、罰金200万ウォン(約22万円)を言い渡した。
柳・元教授は同日、判決を受けて法廷を出る際「大学の講義室で、社会通念からは外れるものの歴史的真実に合致する発言をして刑事事件として起訴されること自体が、大韓民国が中世のような後進社会に生きている(ことを意味する)と考える」と述べた。
柳・元教授は2019年、社会学科の専攻科目「発展社会学」の講義中に「旧日本軍慰安婦の女性たちは、売春に従事するために自発的に『慰安婦』となった」などと発言したとして起訴されていた。
キム・ヤンヒョク記者