【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は24日、ウクライナへの兵器支援に関連し、「殺傷兵器を直接供給しないという大原則を持っていたが、北の軍の活動次第ではより柔軟に検討できる」との考えを示した。ソウルの大統領室でポーランドのドゥダ大統領との首脳会談後に行った共同記者会見で述べた。
北朝鮮がロシアとの協力に基づき特殊軍をウクライナ戦争に派遣するなら「段階別にウクライナを支援し、また朝鮮半島の安全保障に必要な措置を検討してから施行していく」と述べた。
また「われわれ両首脳は北の核・ミサイル開発と挑発、ロシアとの不法な軍事協力を強い口調で糾弾した」とし、「国連憲章と国連安全保障理事会決議に真っ向から違反する北のロシア派兵は、朝鮮半島と欧州を越えて世界の安保を脅かす挑発」だと批判した。「韓国はこれを決して座視しない」とし、「ロ朝軍事協力の進展いかんに応じて、段階別に国際社会と共に必要な措置を取る」と強調した。
尹大統領は「両首脳は価値を共有する韓国とポーランドが国際社会の責任ある一員として国際平和と安定に寄与し、規範に基づく秩序を守るために堅固に連帯していくことを改めて確認した」とし、北朝鮮の非核化達成と北朝鮮住民の人権改善に向けて協力を続けていくと表明した。
ウクライナの平和回復と再建に向けて共同の努力も強化するとし、韓国政府が昨年発表した支援パッケージ「ウクライナ平和連帯イニシアチブ」に基づいて、ウクライナ国民のための支援を引き続き拡大し、その過程でポーランドとも緊密に協力すると述べた。
また、昨年のポーランド訪問を機に両首脳は経済通商にとどまらず防衛産業、エネルギー、先端産業など戦略分野の協力を深めていくことを約束したが、今回の会談で後続措置が着実に履行されていることを確認したとし、「両国の戦略的パートナーシップをさらに発展させるための方策についても深く議論したと」説明した。
「今日の国際安保情勢はいつになく深刻だ」とし、両国はこれまで積み上げてきた信頼を土台に国防・防衛産業分野の当局間定例協議体を稼働し、相互の安保と国防に寄与できる協力策を模索していくとした。また、エネルギー安保と先端産業の強化に向け、共同の努力を続けることで一致したとし、原子力や再生可能エネルギーを含む無炭素エネルギーの生産拡大の方策も模索していくと述べた。
ドゥダ大統領は「ポーランドは1953年から中立国監視委員会の一員としてスイス、スウェーデンと共に朝鮮半島休戦体制の監督活動を続けている」とし、緊張が高まっている最近の状況に対する憂慮を示した上で、緊張緩和と平和維持のために最善を尽くすと強調した。
「韓国が一貫してウクライナを政治的に、人道的に支援していることに対し謝意を表する」とし、「ロシアのウクライナ侵攻に対し韓国は初期から明確な立場を堅持している」と述べた。
韓国との軍事・防衛産業協力について「ポーランドの軍統帥権者として非常に満足している」とした上で「ポーランドが韓国製兵器購入を決定したさまざまな理由のうちの一つは、両国が35年間緊密に協力しながら韓国製品の品質の優秀性を十分知っていたためだ」と説明した。ポーランドだけでなくほかの欧州国家にも韓国製兵器が輸出されることを期待すると語った。