【ソウル聯合ニュース】太平洋戦争終結直後に帰郷する朝鮮人労働者らを乗せて青森県を出航した旧日本海軍の輸送船が京都府舞鶴港で爆発・沈没した「浮島丸事件」で、韓国外交部は23日、日本政府から乗船者に関する34種の資料を新たに受け取ったと発表した。
日本は先月5日、75種の資料のうち19種を韓国側に提供した。関連資料の提供は今回が2回目。
韓国政府は残りの資料の受け取りについても日本側と協議を続ける方針だ。
今回の資料は先月提供された「乗船名簿」「労働者名簿」などと類似した内容で、乗船者の生年月日や本籍などが記されているもようだ。具体的な内容や分量などについては明らかにされていない。
行政安全部は、前回受け取った19種の資料の分析を進めている。古い資料であることに加え、量が多いため、分析にはかなりの時間を要するとみられる。
韓国政府は今回確保した資料を被害者救済に役立てる予定だ。これまで浮島丸事件の被害者は、資料不足が理由で政府の強制労働被害者への見舞金の支給対象に含まれないケースが多かった。
浮島丸は1945年8月22日に青森県の大湊港を出航し、2日後の24日に京都の舞鶴港で爆発し沈没した。日本側は浮島丸が海底の機雷に接触して爆発し、乗船者約3700人のうち524人が死亡したと発表したが、遺族らは日本が意図的に船を爆破し、乗船者7500~8000人のうち3000人以上が死亡したと主張している。
日本政府はこれまで、韓国政府や遺族の公開要求に対し、乗船者名簿が浮島丸の沈没で失われたと主張していたが、岸田文雄前首相の訪韓を翌日に控えた9月5日に資料の一部を韓国側に提供した。