「視聴者の皆さん、取材を妨害する警察をご覧ください」 ソウル各地に出没する公害ユーチューバーたち

 光化門一帯では週末や祝日ごとに全光焄(チョン・グァンフン)牧師が主導するサラン第一教会・自由統一党の集会が開かれる。ユーチューバー数十人も集結し、「文在寅・李在明を拘束しろ」「韓東勲(ハン・ドンフン)は裏切り者」などというスローガンを叫ぶ。汝矣島の国会議事堂周辺もユーチューバーの活動場所だ。最近は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の退陣などを主張する大学生進歩連合が無届けで座り込みをしようと、布団や寝袋を持ち込む場面をユーチューバーが生配信した。

 大統領室がある竜山区一帯もユーチューバーの主な活動舞台だ。「懲悪取材」を掲げ、相手を欺く取材手法や隠し撮りなどで物議を醸したメディア「ソウルの声」は1月から地下鉄6号線漢江鎮駅の2番出口付近を占拠したまま、文大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏の逮捕を要求する集会現場でライブ配信を行っている。

 ユーチューバーは警察の規制線の内側にスピーカーと横断幕などを設置し、4~7時間ライブ配信を続ける。現場では集会参加者より警察官の数の方が多い。集会関係者はユーチューブで「210日余りにわたり、ソウルの声がこの座り込み場所を死守している。安定的な座り込みのために支援をお願いしたい」と呼びかけた。それに対し、過激な反与党系の視聴者が同調し、資金支援を行う。慰安婦集会が開かれる鍾路区の在韓日本大使館、芸能人非難デモが開かれる城東区聖水洞のSMエンタテインメント社屋一帯もユーチューバーにとってアクセスを稼げるお気に入りのポイントだ。

 ユーチューバーが収益を上げるためにさまざまな現場でリアルタイム配信をする行為を処罰することはできない。届け出があった集会・デモは憲法が保障する表現の自由が保障されるが、それを配信するユーチューバーは自分たちが「報道行為」をしていると主張しているためだ。現場の警察に大声を上げたり、暴言を吐いたりして、デモ隊の興奮をあおるユーチューバーもいる。警察関係者は「警察とデモ隊、ユーチューバーの間で物理的な衝突が起きると、『緊急』『速報』『独自』などの冠を付けてアクセス数を増やす構造になっている。ユーチューバーは警察を『アクセスを吸い集めるための背景画』として活用する」と話した。

ソ・ボボム記者、キム・ドヨン記者

【写真】文在寅前大統領の娘ダヘ氏を待ち構えるユーチューバー

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  • ▲グラフィック=李撤元(イ・チョルウォン)
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