文在寅前大統領の娘ダヘ氏の飲酒運転事故に潜む「収賄罪」

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘ダヘ氏の飲酒運転事故以後、被害者のタクシー運転手と示談が成立していたことが分かり、ダヘ氏の刑事事件の行方が注目を浴びている。

【写真】「文在寅一家の不正」 韓国検察に判断材料を提供した飲酒運転事故車両

 飲酒事故の場合、警察は通常、飲酒運転または交通事故と関連する容疑で捜査する。しかし、この事件は現在検察が捜査している文前大統領の収賄罪にも関係してくる。事故車両である「キャスパー」が2021年10月、文前大統領の「光州型雇用」(光州市で始まった労使共存型の雇用創出モデル)で生産された最初のモデルであり、文前大統領が自ら購入契約を結び、退任後も継続して使用する予定だと発言したことがあるためだ。

 事故車両は今年4月、ダヘ氏に所有権が移った。形式は売買だが、相場とは相当かけ離れた低価格で売却されたという。車を低価格で売却すること自体は法律違反ではないが、検察が賄賂罪と関連して検討している「独立した生計」の判断材料となり得るからだ。

 検察は文前大統領の元娘婿S氏が「タイイースタージェット」に就職して受け取った給与(月800万ウォン=約87万円)と住居費(月350万ウォン)が賄賂に該当するかどうかを捜査している。公職者の子女が両親の支援を受けずに「独立した生計」を維持していれば、子女に与えた金品を直ちに賄賂と見なすことは難しく、捜査機関は公職者が「不正な請託」を受けた点まで立証しなければならない。

 郭尚道(クァク・サンド)元国会議員の息子が「大庄洞開発」のデベロッパー、火天大有から受け取った退職金50億ウォンについて、裁判所が無罪を言い渡したのもそのためだ。このケースで息子は「第3者賄賂罪」ではなく単純賄賂罪起訴されたが、郭元議員の息子が結婚して独立した生計を立てたために息子の退職金を父親に渡した賄賂と見なすことはできないとの判断だった。検察は一審無罪の後、郭元議員と息子を収賄罪の共犯として控訴した。

 一方、子女が結婚後も経済的に自立できず、親に依存していれば、子女に与えた金品や経済的利益で親が収賄罪に問われる可能性がある。検察がダヘ氏の金銭取引や不動産購入、車両購入の経緯を検討しているのは、ダヘ氏夫婦が「独立した生計」を営んでいるかどうかの判断と関連している。

 「独立した生計」かどうかを判断する要素は、元娘婿S氏のタイイースタジェット就職以外にもある。結婚後の2012年から2016年にかけての生活費支給(文前大統領は生活費ではなく、娘婿名義の住宅に住んだことによる賃料を支払ったと主張)、2016年のゲーム会社への就職と「トリゲームズ」への社名変更、退社後のタイ渡航・就職、タイイースタージェット退社などダヘ氏夫婦の生活全般が判断材料になる。

 TV朝鮮のユーチューブチャンネル「判決文を読み上げる記者」は18日、ダヘ氏の交通事故と車両名義変更を中心にこれまで明らかになった点について、文前大統領の「賄賂罪」成立を左右する要素を総合的に検討する動画を公開した。

ヤン・ウンギョン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲朝鮮日報 ユーチューブ「判決文を読み上げる記者」
  • 文在寅前大統領の娘ダヘ氏の飲酒運転事故に潜む「収賄罪」

right

あわせて読みたい