韓国拉致被害者団体が北朝鮮へのビラ散布予告 当局は阻止方針

【坡州聯合ニュース】北朝鮮が韓国の無人機が平壌の上空に侵入し北朝鮮を批判するビラをまいたとして報復を警告するなど南北軍事境界線付近での緊張が高まるなか、拉致被害者家族でつくる「戦後拉北者被害家族連合会」が来週に北朝鮮に向け、ビラを散布する計画を明らかにした。韓国北部の京畿道がビラ散布を防ぐため境界線に近い11カ所を「危険区域」に設定しているが、連合会側は強行する構えだ。

 京畿道や軍、警察は対策会議を開き、ビラ散布を現場で阻止する方針だ。

 京畿道の坡州警察署などによると、連合会は坡州市の国立6・25戦争拉北者記念館で22日か23日に北朝鮮に向けビラ5万枚を飛ばす計画。風向きにより日時が変更になる可能性もあるという。

 連合会の崔成龍(チェ・ソンヨン)理事長は韓国と北朝鮮両方に問題解決を訴えるためビラを散布すると述べた。ビラは韓国の大統領や首相、各政党代表、国会議員ら約100人にも郵便で送るという。

 ビラには日本人拉致被害者・横田めぐみさんや韓国人高校生の拉致被害者5人の説明のほか、崔氏の父親の名前などが書かれている。

 ただ、京畿道は危険区域に設定した場所で特別司法警察団がビラ散布を取り締まるよう行政命令を出している。特別司法警察団関係者は「警察と共に取り締まる予定」と述べた。北朝鮮へのビラ散布は航空安全法違反にあたる可能性があるとの有権解釈があり、警察の捜査対象にもなる。

 崔氏は来月にも北東部・江原道の高城でビラ5万枚を飛ばす予定だ。「1、2回で終わるものではなく、今後は風船ではない別の手段で北に引き続き消息誌(ビラ)を送る」と強調した。

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