【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が7日に行ったフィリピンのマルコス大統領との首脳会談で、2016年にフィリピンで起きた韓国人事業家男性の殺害事件を巡り、主犯の速やかな逮捕を要請したことが17日、分かった。
男性は16年10月、フィリピンの現職警察官3人に拉致され、警察庁の駐車場で殺害された。その後公開された残酷な犯行手口は現地の韓国人社会やフィリピン全土に衝撃を与えた。共犯2人は昨年6月、無期懲役を言い渡されたが、主犯には無罪が宣告された。今年6月の控訴審では一審裁判官の「重大な裁量権乱用」を認める異例の判断を下し、主犯に仮釈放のない無期懲役が言い渡された。だが、主犯は控訴裁判所が逮捕状を発付する前に逃走し、行方が分かっていない。
尹大統領は主犯が逃走したことに深刻な懸念を示し、身柄の確保や最高裁判決などが迅速に進められるよう要請。昨年にフィリピンを訪れた外国人のうち韓国人が145万人で最も多いとして、韓国国民の安全に関心を示すよう求めた。マルコス大統領は安全な環境づくりに向けて努力し、主犯の逃走問題の解決に最善を尽くす考えを示したという。