北朝鮮が15日、京義・東海線南北連結道路を爆破した。爆破の過程で北朝鮮が視覚的効果を最大化するため、TNT爆薬の上に土盛りをしたものと韓国軍では判断していることが分かった。
韓国軍の合同参謀本部(合参)は15日、韓国国会国防委員会の委員らを対象とする非公開ブリーフィングで「北朝鮮軍がアスファルト舗装の道路に穴を掘ってTNTを埋設した後、覆土をしたのは、爆破時により大きな飛散効果を起こしてもっともらしく見せようとする狙いがあった」と説明したと伝えられている。
この日、韓国軍の監視アセット(軍事資産)は、北朝鮮軍が京義・東海線を爆破した際に数十メートルの高さまで土煙が噴き上がる様子を捕捉した。合参によると、北朝鮮は今月9日から京義・東海線の爆破作業を準備し、シャベルやつるはしで数十本の穴を掘った後、数十キロのTNTを埋めてから覆土をした。TNTを埋めた上から土で覆ったのは、実際の爆破力よりも大きい劇的な視覚的効果のためだったのだ。
この日、合参関係者は「爆破はアスファルトを粉砕するためのもの」だとし「爆弾は大量ではない」と説明した。これを根拠に、実際に埋設したTNTの量よりも大きな視覚効果を発揮するため北朝鮮が知恵を働かせた、という解釈が出ている。北朝鮮は15日に京義線を爆破した後、重機を2台投入して追加の撤去作業に乗り出したが、これもまた、爆破は「見世物」であって道路を撤去できるほどに十分な破壊力を持つものではない-という解釈を裏付けるものだ。
合参は、北朝鮮による爆破前、破片が最大500メートルまで飛散することがあり得るとみて韓国軍将兵を予想範囲内から撤収させた。だが15日に北朝鮮軍が、爆破前に100メートルほど離れた場所からカメラ撮影を行い、爆破を観察した様子が韓国軍の監視アセットによって捉えられた。韓国軍の予想より爆破力が弱いことを北朝鮮軍は事前に知っていた、という傍証だ。
韓国軍の情報消息筋は「北朝鮮軍部が北朝鮮住民を対象に緊張感を醸成するため、見世物式の行動を取っている」とし「こうした『ショーイング(見せること)』は結局、対内結束のためという目的の方が大きいとみられる」と語った。
ヤン・ジホ記者