警察関係者は「警察が運用している監視カメラは独立ネットワークで運用されており、外部からのハッキングの可能性はほとんどない」としつつ「予防的な観点から全て交換することを推進する」と述べた。実際に最近、中国製のIPカメラを通して内密な私生活の動画が中国側へ大量に流出している事実も明らかになった。10月10日に行われた国会科学技術情報通信委員会の国政監査でも「中国がカメラだけでなくWi-Fiハブなどの装置をハッキングして国家機密などを組織的に奪取することもあり得る」という懸念が提起された。
韓国警察が運用する監視カメラの大部分が中国製である理由は、「中小企業製品購買促進および販路支援法」のせいだ。中小企業振興を図るという趣旨だが、技術力や資金力に劣る中小企業は安い中国製を「商標すり替え」して韓国製と称するケースが多い。それにもかかわらず同法のせいで、韓国警察庁など公共機関は中小企業間公開入札で中国製品の納品を事実上強制されてしまう立場にある。
実際、調達庁の公告を見ると、監視カメラ製品は2万999点あるが、韓国情報通信技術協会のセキュリティー認証を受けた製品は736点(3.5%)に過ぎない。中国製監視カメラの大部分は100万ウォン(現在のレートで約11万円)前後で、協会の認証を受けた監視カメラの価格の半分という水準だ。
中国は2017年に反体制派の人物に対する情報機関の盗聴・監視および調査権限を大幅に強化する内容の国家情報法を電撃施行した。西側では、中国企業が自国製品に情報を盗み出す装置を取り付けておいて、後でこれを活性化させかねないという可能性を提起してきた。主要各国は情報セキュリティーを理由に、中国製の映像保安装備に対する規制を強化している。
米国のバイデン政権は2022年、中国製映像保安装備の輸入を全面禁止した。英国・オーストラリアなども主な国家施設から中国製の映像装備を撤去する措置を取った。韓国でも、軍部隊に設置された防犯カメラおよそ1300台が中国製であることを確認し、順次撤去することとした。
チュ・ヒョンシク記者