世界最高齢のプロジェリア症候群(早老症)の患者、サミー・バッソさんが死亡したことが分かった。28歳だった。ロイター通信など海外メディアが10日(現地時間)、報じた。
報道によると、イタリア先天性プロジェリア協会は「サミーが今月5日、愛する人たちと夕食を共にした後、突然この世を去った」と明らかにした。サミー・バッソさんは亡くなる直前、食事をしている途中で体調が悪いと訴えていたという。
同協会は「サミーは私たち皆に『人生の障害物は、時には乗り越えられないもののように見えるけれど、それでも十分に人生を送る価値がある』という事実を教えてくれた」「私たちは彼の旅を共に歩む『特権』を持てたことについて、深く感謝している」と哀悼の意を表した。
イタリア北部ベネト州出身のバッソさんは、2歳の時にプロジェリアと診断された。10歳のときに両親の支援の下で協会を設立し、プロジェリアに対する世間の認識を高めるために尽力した。成人してからはパドヴァ大学で自然科学を専攻した。在学中に遺伝工学を通じたプロジェリア治療の可能性について研究論文を執筆し、イタリア共和国功労勲章(ナイトの称号)を授与された。
プロジェリアは一般の人よりも数十年早く老いるという早期老化の症状がみられる疾患で、遺伝性の異常によって発生する。生まれたときには異常が見られないが、生後1年以内に成長遅延・体脂肪減少・脱毛・皮膚の老化・関節の拘縮などの症状が現れる。
年齢が上がると股関節脱臼や心臓疾患、発作などを起こすこともあり、平均寿命は13歳程度だ。全世界で2000万人に1人の割合で発生する難病であり、現在までに明確な治療法は確立されていない。
ムン・ジヨン記者