韓国国会で北へのビラ散布巡り論戦 与党「表現の自由」・野党「統一部の職務放棄」

【ソウル聯合ニュース】韓国国会の外交統一委員会は8日、統一部などを対象にした国政監査を実施し、与野党が脱北者団体による北朝鮮への体制非難ビラ散布を巡って論戦を繰り広げた。

 与党「国民の力」はビラ散布が表現の自由にあたるとして、北朝鮮がビラ散布を口実にごみをぶら下げた風船を韓国に飛ばすという軍事的な実験を行っていると指摘した。一方、最大野党「共に民主党」は統一部が職務を放棄しビラ散布に積極的に対応していないと批判し、北朝鮮がごみ風船を飛ばしているのはビラ散布への報復だと反論した。

 国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)議員は「表現の自由という憲法的な権利を政府が侵害すれば自由民主主義違反」として、「北は住民を外部と遮断して情報に接近するのを防ぎ、独裁権力を強化するためビラに反応している」と主張。「韓国政府は原則に沿って対応することが望ましい」と強調した。

 共に民主党の金永培(キム・ヨンべ)議員は、南北軍事境界線付近は無人自由気球の無許可飛行を禁じており、ビラ散布は航空安全法違反にあたると指摘した。そのうえで、「統一部は南北の交流・協力を阻害する場合はそれを防ぐ義務がある」として、ビラ散布を中止させるよう求めた。

 統一部の金暎浩(キム・ヨンホ)長官は「(前政権時に成立した)ビラ禁止法は憲法裁判所が違憲と判断した」とし、「北の汚物風船の意図を脱北者が飛ばす風船と同等に比較することはできない」と述べた。

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