「先祖を思い、末永く追悼するため、奉安堂に祭りますが、結局家族もいないまま、他の遺骨と混ざって放置され、消えていくのが現実です」。先月、室内奉安施設を設けたある追慕公園で勤務する職員がこのように話した。奉安施設の使用契約が満了したものの、家族との連絡が途絶え、訪ねてこない遺骨が多いというのだ。同職員は「死亡した人の遺骨だけが存在し、それを管理する生きている人がいないという不思議な現象」とし「親孝行とは何なのか、あらためて真剣に考えなければならない時」と話す。
昨年、京畿道水原市の火葬場では、77基の遺骨が「未措置遺骨室」に送られた。奉安されて15年が過ぎ、契約が満了したものの、遺族と連絡が付かず「奉安施設から外された」遺骨だ。2000年初めに建てられた同施設では、昨年だけで計1232基の遺骨の「15年契約」が終了した。このうち851基は契約が延長され、304機は遺族の元へと帰っていった。身寄りのない遺骨は、誰も訪れない暗い遺骨室に5年間保管された後、水原市の火葬場の職員らによって集められ、散粉される。誰にも知られることなく消えていくのだ。
続々と満期が到来する遺骨が増え、未措置の遺骨室さえも空席なく埋められている。さらに大きな問題は、これ以上契約延長ができない「30年満期」が到来した時だ。10-15年が過ぎても海外移民、子孫の健康悪化や死亡などで「家族がいなくなった」遺骨が多くなるためだ。水原市火葬場の職員は「5年後には契約延長ができない遺骨が出始めるだろうが、混乱することが今から予想される」と言う。未措置遺骨室のない奉安施設の場合、問題はさらに拡大する。
65歳以上の高齢者人口が1000万人を超え、超高齢社会への進入が目前に迫っている。大切にしなければならない先祖は多く、これを守る子孫は少ない。今では男児を好む思想も存在せず、核家族化によって家族の結束力も低下している。数十年にわたって奉安施設に先代の遺骨を保管し追慕する方法は、限界を迎えていると言わざるを得ない。追悼の方法について考え直さなければならない時を迎えているのだ。
政府と葬儀業界では最近、「散粉葬」を持続可能な方法と見て、制度化している。火葬した遺体を山や海、川に散粉し、何の標識も立てない葬儀方法だ。遺骨は散粉するが、オンライン上で故人を追悼することができる。「eハヌル葬儀情報システム」は、個人が追慕館をオープンすることで、故人に対する追慕文や生前の写真、映像などをアップすることができる。追慕館は誰でも自由にオープン可能だ。いつでも訪問できる故人のための「ソーシャル・メディア」を開設するわけだ。
もちろん、商売文化を変えるというのは容易でない。しかし、われわれはかつて、埋葬から火葬に一度、葬儀文化を画期的に変えている。「全国土の墓地化だけは防がなければならない」「次世代にとって負担となるだろう」など、全国民的な認識転換キャンペーンを行った。「身寄りのない遺骨」がこれ以上増える前に「第二の葬儀文化」への画期的転換が急がれる。
カン・ダウン記者