今年初め、韓国最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が暴漢に襲われた際にドクターヘリで釜山からソウルに搬送されて「特別待遇だ」と批判された件を巡り、騒動に関係したソウル大学病院と釜山大学病院の医療関係者らが内部で懲戒処分の対象となっていることが6日までに分かった。李代表と鄭俊鎬(チョン・ジュンホ)党代表秘書室長(当時)など特別待遇騒動の張本人だった政治家たちは国会議員であることを理由にいかなる制裁も受けない一方で、医療関係者だけが懲戒の対象になったという指摘が出ている。
国会保健福祉委員会メンバーで与党「国民の力」所属の徐明玉(ソ・ミョンオク)議員がソウル大学病院・釜山大学病院から入手した資料によると、釜山大学病院は所属する医師2人について先月30日に懲戒委員会を開いて最終決定を控えた段階で、ソウル大学病院も所属する医師1人について近く人事委員会を開催する予定であることが分かった。
これは今年7月に行われた国民権益委員会の判断を受けて取られた措置だ。権益委員会は当時、今年1月2日に李代表が釜山で襲撃された後にヘリコプターでソウルに搬送されたことを「特別待遇だ」とした上で、これに関連したソウル大学病院と釜山大学病院の医師たちについて「公職者の行動綱領に違反した」として懲戒対象と判断した。一方、李代表と鄭・前秘書室長は「国会議員に適用する行動綱領がない」として、規定が存在しないことを理由に問題を終結させた。
この時の権益委の議決書には、李代表側の強い要求によってヘリでのソウル大学病院への搬送が実現した状況が書かれている。ソウル大学病院側が「釜山大学病院で手術するわけにはいかないのか」と尋ねた際、釜山大学病院側は「患者と保護者がソウルでの手術を希望している」と答えた。結局、釜山大学病院の医師はドクターヘリを呼び、李代表は釜山で襲撃されてから5時間18分後にソウル大学病院で手術を受けた。
徐議員は「今回のケースによって、現場の医療関係者はジレンマに陥ることになった」「ドクターヘリは必ず医学的に必要な場合に限って出動するよう関連規定を明確に再整備すべき」と指摘した。
ヤン・ジヘ記者