MBC労働組合は2日に声明を出し「北朝鮮軍事パレードは『地上からICBM(大陸間弾道ミサイル)、空から無人機…』という題目で『(北朝鮮の)大陸間弾道ミサイル火星18型』を紹介し、『軍事パレードの終わりを飾った』などの表現を使った」「一方で韓国の国軍の日街頭行進は『軍事政権の残滓(ざんし)』とおとしめる報道姿勢で非難を受けている」と表明した。これとは別に西海公務員殺害事件直後の2020年10月、MBCニュースデスクは北朝鮮が深夜に開催した軍事パレードを「夜の祝祭」と呼び、当時の金正恩総書記の演説写真に『南の同胞と手を取り合えますように』という字幕を付けて映し出したことも批判を受けている。
■「北朝鮮軍事パレードは住民酷使」…しかしMBCは韓国に対してのみ「軍事政権時代の残滓、血税の浪費」
専門家はMBCの一連の報道について「事実を誤って伝える恐れがある」と指摘する。特に金正恩総書記は大規模軍事パレードの費用を準備するため外貨の調達を指示するなど、住民の財布を奪い人権じゅうりんレベルの搾取を行うことで資金を集めているが、MBCはこのような現状を全く批判しないからだ。ある脱北民は「平壌に住んでいた時、軍事パレードに人民軍の後方物資として下着、靴下、靴の中敷き、食事などを提供し、豆や卵などの現物も支援した」と証言している。昨年米政府系ラジオ「自由アジア放送(RFA)」は現地の状況として「大規模軍事パレードの際に北朝鮮当局は住民に布製の銃のひもを作り提供するよう指示した」と伝えた。この報道を受け「自動小銃のひもさえ確保できない当局が軍事パレードをなぜ行うのか」などの批判も相次いだ。
韓国軍からは「南北の軍事パレードについて、メディアが同じ観点からではなく、韓国軍だけを侮辱し国格をおとしめている」など不満の声が相次いでいる。ある韓国軍関係者は「記念式の査閲、分列と街頭行進は韓国軍の準備態勢と有事の反撃能力を誇示し、北朝鮮の挑発を抑止する効果もある」「これらの軍事的な意味は全く考慮せず、批判のための批判ばかりしている」と指摘した。
MBCの関係者は「MBCは最近放送映像の共同記者団から一時的に排除され、国軍の記念式と街頭行進をテレビでは中継できなかった」「ただし2年連続で実施された街頭行進に対して軍事政権時代の残滓という指摘と共に、血税の浪費という批判も出ている状況では、国民の資産である電波を使ってまで(街頭行進を)中継すべき事案とは考えていない」とコメントした。
申東昕(シン・ドンフン)記者、キム・ミンソ記者