韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、自らの偽証教唆の裁判で懲役3年が求刑されるや「検事が証拠を隠したり歪曲(わいきょく)したり、ひどいものでは捏造(ねつぞう)もしている」と主張した。李代表は2018年の京畿道知事選挙の際、かつて「検事詐称」事件で罰金刑を受けたことを巡って「汚名を着せた」と主張し、虚偽事実公布の罪で起訴された。その後、裁判の過程で証人のキム・ジンソン氏にうその証言を要求したことが判明し、再び起訴された。
【写真】偽証教唆で裁判を受けてきた李在明代表と韓国国会本館前でテント籠城を行う野党議員たち
キム氏は検察の取り調べや裁判で、李代表の要求に基づいて偽証を行ったと自白・証言した。李代表がキム氏に何度も電話をかけて「ともかく歳月もたったし、(私にぬれぎぬを着せたと)ちょっと話してくれれば助けになるように思う」「私たちの主張が載った弁論要旨書を送るので、記憶をよみがえらせてみてほしい」と語る録取ファイルが公開された。昨年9月に李代表の拘束令状を棄却した裁判部も「偽証教唆の容疑は疎明されたものとみられる」と認めていた。
民主党指導部は「創作と編集、捏造の産物」「検察のファンタジー小説」「ナチスのゲッベルスよりも悪どい怪物」と主張した。証人が偽証を自白して李代表の音声まで出てきたのに、逆に「検察が捏造した」と攻撃しているのだ。李代表の最大の治績とされていた大庄洞開発を巡る不正事件で、あべこべに「尹錫悦(ユン・ソンニョル)ゲート」だと主張してきたのと変わらない。
李代表の周辺には偽証教唆疑惑がひどく多い。李代表と側近らは、「ペクヒョン洞開発は国土交通部(省に相当。国土部)の脅迫のせい」だと虚偽事実を主張した罪で起訴されると、城南市の公務員らに電話をかけて「国土部が脅迫したんじゃないか」と繰り返しただしたという。李代表の周辺の人物2人が、金湧(キム・ヨン)元民主研究院副院長の裁判で証人にうその証言をさせた容疑で身柄を拘束された。2人はアリバイまで捏造した。対北送金事件では李華泳(イ・ファヨン)元京畿副知事の供述を変えるためにありとあらゆる手を全て使った。ユ・ドンギュ元城南都市開発公社本部長には「携帯電話を捨てて逃げろ」と指示し、監視用の弁護士も付けた。
李代表を強硬に支持する「ケッタル」は裁判部に嘆願書を送る運動を繰り広げるという。歎願とは言うが、裁判部に対する圧力にほかならない。民主党は李代表の事件担当検事に対する聴聞会を2日に開くこととした。李代表の処罰を避けようと、逆攻勢をかけているのだ。たとえ逆ギレだとしても度が過ぎる。