はさみ・スプーン・包丁…日本の理科教科書の執筆委員2人が「台所の中の科学」を探る

はさみ・スプーン・包丁…日本の理科教科書の執筆委員2人が「台所の中の科学」を探る

【新刊】田中幸・結城千代子著、イ・ヒョジン訳『はさみはなぜはさみのようになったのだろうか』(オアシス刊)

 はさみはなぜX字型をしているのだろうか。答えは「片手でも『てこの原理』を使って物を簡単に切るため」だ。てこの原理は、力を加える「力点」、力を受け止める「支点」、物体に力を伝える「作用点」を全て備えて初めて使うことができる。はさみは、互いに向かい合う2枚の刃を交差させた状態で留める丸い固定ピンに、支点の役割を付与したのだ。

【写真】カルグクス3種を注文した韓国女性3人客 取り皿16枚・箸とスプーン9組・お玉2個・紙コップ6個使用

 日本の理科の教科書の執筆委員を務める著者二人は、日常の中のありふれた場面に、各種の科学的疑問符を突き付ける。例えば、滑らかな刃物とぎざぎざした刃物、どちらが丸いトマトをうまく切れるだろうか? 答えは「ギザギザ」。刃の表面がギザギザしていると、より効率的に物体へ圧力を伝えられるからだ。

 全5章にわたって分析した科学的な道具の多くは、さじ・箸など台所用品だ。おかげで、本棚の前を離れて食器を持つたびに、その原理を思い浮かべつつ首をかしげることになる。人類の科学の発展も、ひょっとすると、こうした好奇心が集まって始まったのだろう。原題は『道具のブツリ』。328ページ、1万9800ウォン(約2120円)

ユン・スジョン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • はさみ・スプーン・包丁…日本の理科教科書の執筆委員2人が「台所の中の科学」を探る

right

あわせて読みたい