1980年代まで中国は、原潜の「品ぞろえ」にまずは集中した。87年に中国初のSSBN「夏級」を公開した。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を搭載できるSSBNは、米国でも「核の3本柱」の一つに挙げられる戦略兵器なので、世界の注目を集めた。しかし夏級は「世界で最も騒々しいSSBN」と評され、原子炉などにも問題があり、最大4隻作られたものの中国の海域を離れることはほぼできなかったという。しかし夏級は中国の原潜開発技術の発展の足場となり、現在の中国の主力SSBN「晋級」が2007年に就役することになった。少なくとも6隻を運用中といわれる晋級は、排水量が夏級より4割多い1万1000トンで、騒音の問題も大幅に改善された。
2000年代に入ると、米国を緊張させるほどに中国の新型原潜は優れた機能を備えるようになったという。06年に就役した商級SSNは、先の漢級に比べ騒音が大幅に軽減し、開発中の周級は米バージニア級SSNと外形が似ているといわれる。中国軍は、1隻の建造に少なくとも2兆ウォン(約2200億円)ほどかかる原潜の開発に予算を惜しまない。チェ・イル潜水艦研究所長は「中国が絶えず新たなモデルの原潜を開発しているという点に注目すべき」とし「さまざまな開発の試みをする中でミスが発生しているが、原潜の技術水準はもはや恐るべきレベル」と語った。
最近、インド・太平洋地域で各国が軍備増強に乗り出し、中国がさらに積極的に原潜の確保に乗り出したという見方もある。先に米国・英国と軍事安保同盟「AUKUS」を結成したオーストラリアは昨年、米国からバージニア級SSN5隻を購入することとしたが、オーストラリアが実際に保有することになれば米国とロシア、中国、英国、フランスに続いて6番目の原子力潜水艦保有国になる。昨年、米国防総省の報告書は「中国が台湾を支援する米国などをけん制し、日本・台湾・フィリピンに対抗して海上優位を確保するため、原潜など軍事力の拡大に積極的」だと分析した。米シンクタンク「戦略予算評価センター(CSBA)」は、中国が2030年までに原潜の保有数を少なくとも10隻に増やすと予想した。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員