韓国大法院(最高裁に相当)の法院行政処が最近、「選挙法違反事件を定められた処理期間内に終わらせてほしい」という趣旨の勧告を一線の裁判所に送った。選挙法違反事件は一審6カ月、控訴審・上告審はそれぞれ3カ月以内に判決を言い渡すよう法律で定められている。必ず守らなければならない「強行規定」だ。だが、これを勝手に訓示規定と見なす判事が法定処理期間を守らないことが続き、「法を守れ」という勧告文を送ったのだ。
選挙法が迅速な裁判を定めているのは、資格のない人間が国民の代表になることを防がなければならないからだ。だが、この規定は死文化して久しい。文在寅(ムン・ジェイン)政権の大統領府による「蔚山市長選挙介入」事件で起訴された黄雲夏(ファン・ウンハ)議員は一審の懲役刑言い渡しだけでも3年10カ月かかった。まだ控訴審の裁判が続いている。そんな中で4年の任期を全うし、またも議員になった。進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の選挙法違反事件も、起訴から2年2カ月を経た今年11月にようやく一審判決が出る。同事件の一審の裁判長が裁判を1年4カ月も引き延ばし、突然辞表を出したこともあった。
大法院も同様だ。大法院は、ドルイドキング事件の金慶洙(キム・ギョンス)元知事に対する有罪確定判決を8カ月かけて下した。李在明代表のテレビ討論虚偽発言事件も、大法院の判決が出るまで10カ月かかった。全て金命洙(キム・ミョンス)司法府で起きたことだ。曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長は迅速・公正な裁判を強調している。だが、まだ大きな変化は感じられないという人が多い。選挙法違反事件ではないが、控訴審で懲役刑が言い渡された進歩系野党「祖国革新党」の曺国(チョ・グク)代表と、尹美香(ユン・ミヒャン)前議員は、大法院でそれぞれ7カ月および1年が経過しても判決が出ていない。まず大法院から迅速裁判の模範を見せるべきだ。