これらのアカウントはeコマース産業に関する記事で、AliExpress・Temu・SHEINなど中国企業を支持するコメントを書き込んでいたことが分かった。これらのアカウントは「韓国企業による値上げに疲れた」「中国の低価格商品を活用して物価上昇を抑えるべき」「AliやTemuなどを積極的に導入すべきだ」「クーパンは韓国企業なのか」「全部中国産じゃないの?」などのコメントを書き込んでいた。スマートフォンと半導体については「現代やサムスン電子よりも中国企業の方が先を行っているようだ」というコメントも目に付いた。
研究チームはこれらのアカウントが、韓国の国民を怖がらせる戦略を取っていると分析した。「米国は韓国を裏切る」とか「韓国政府の過ちによって関連産業が競争に敗れ、韓国経済が崩壊する」などと恐怖をあおり、韓国が中国を協力対象として選ぶよう強く促しているわけだ。
また、「現政権は親米・親日政策によって米国と日本の属国になった」などと書き込んで政治的対立を誘発する「分断」戦略も見られた。中国に批判的な見方をした記事については、内容よりも発信者を攻撃するという手法も確認された。報道したメディア自体を非難し、信頼性と影響力を低下させようとしたのだ。
このほか、韓国内のジェンダー対立、地域対立、政治対立などをあおる投稿を拡散したり、韓国を誹謗(ひぼう)中傷・侮辱するキーワードを一貫して使ったりしていることも分かった。特にユーチューブでは、中国人とみられる239人分のアカウントが最も頻繁に組織的な世論扇動作業を行っていることが分かった。
研究チームは、こうした事態に対応するためには中国人と疑われるアカウントに対する体系的なプロファイリング指標と対応体制を構築すべきと主張した。
イ・ハクチュン記者