今年(1-7月)におけるビール・ワイン・ウイスキーなどほとんどの酒類の輸入額が前年同期比で一斉に減少している中、日本酒の輸入額は大幅に増え、過去最高を記録した。円安で日本を訪れる韓国人が急増し、日本酒を飲んだことがある人が増え、手ごろな価格の製品も多数輸入されるようになり、日本酒が人気を集めているためとの見方がある。
韓国関税庁の輸出入統計によると、今年1-7月のビールの輸入額は8.2%減少、ウイスキーの輸入額は10.2%減少だったとのことだ。ワインの輸入額も16%減少した。その一方で、日本酒の輸入額は昨年2475万ドル(約35億3000万円)で、2022年の2151万ドルに比べ15.1%増えた。これは過去最高だ。日本酒の人気は今年も続いている。今年7月までの累積輸入額は1434万ドルで、過去最高だった昨年同期より3.3%増加した。
業界では、昨年から続いている記録的な円安により、日本に行ったことがある人が増え、日本酒に対する心理的なハードルが下がったためとみている。特に、新しいことを追求するMZ世代(1980年代前半から2000年代にかけて生まれた世代)がワインやウイスキーに続き、日本酒に目を向けているという分析もある。韓国観光公社によると、今年上半期に韓国人出国者444万2062人が日本を訪れたという。これは昨年同期に比べて42%もの急増だ。日本風の居酒屋も韓国国内で急速に増えている。日本風居酒屋をフランチャイズ展開している「ソシジヨ」は加盟店事業開始から4カ月後の今年5月に第100号店の契約を達成し、このほど第179号店の契約も完了したと発表した。
日本酒の輸入額はウイスキーの10分の1程度だ。しかし、流通業界は日本酒がさらに成長する可能性に注目し、日本酒の仕入れに力を入れている。大型スーパー「イーマート」は昨年、約20種だった日本酒の仕入れを約30種に拡大した。契約量が増えているため、高級酒とされる純米大吟醸を2万ウォン(約2200円)台で売っている。コンビニエンスストア「GS25」は今年5月から毎月、特定の日本酒を割引販売する「月刊日本酒」イベントを行っている。30種以上の日本酒を販売する日本酒特化型コンビニは約1800店に達する。別のコンビニ「CU」は先月、独自の日本酒ブランドを発売した。イーマートの酒類バイヤーを務めるペク・ミン氏は「品質が高く、価格はリーズナブルな日本酒を引き続き発掘していく」と語った。
石南埈(ソク・ナムジュン)記者